□読み切り
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青い空。そっと見上げれば何処までも広がっている。澄んだ空。空には果てがない。世界中に行っても同じ空がある。雷雨や嵐分厚い雲、時には晴れたり霧が掛かったり。そんな天候を見つめているのは大空。まるで守っているかのような存在で。でも、何足りなくて…気付けば周りには沢山の人が集まっていて友人と呼べるものが出来ていたのは確かなこと。それがどんなに楽しいか、嬉しいか。人それぞれ個性があるけど、それがまたいいと感じる。何時まで経っても…それは永遠に変わらない。


「今日も、雲一つない綺麗な青空だな」


なにもかも見透かしているかのように頭の上にある。頭の上にあって可笑しくないが、空はまだ近くにある。そして、すぐにやってくる。

裏世界。彼は嫌でもその世界に君臨しなくてはならなくなってしまう。それは決められている定め。決して破ることの出来ない、掟のようなもので…彼がそんな人間になれるのだろうか、周りから駄目扱いされ、びくびくと怯える。あの並盛一有名な人の言葉を借りれば草食動物なのかもしれない。

しかし、彼は草食動物を通り越している。誰かを守るという信念の貫き。自分を傷付けてでも人の命を重んじる。守り、命、外ならないものの尊さを彼は知らずの内に身につけている。


「ご、ごめんっ!待った?」

「ううん、大丈夫だよ。時間なんてたっぷり有るんだから」

「でも、俺が補習なんて受けてなければ」

「ばーか、別にどうってことないよ。私はツナが無事補習から出て来てくれればいいの」

「嫌味?それって嫌味か?」


遠くを見れば既に夕日が沈みかけている証拠に空が赤く染まって来ている。青空から赤に変わってきているのは事実。どんなに綺麗で澄んだ空でも時が来れば赤く染まり更には黒になる。


「ツナって最近カッコイイよね〜」

「なんだよ、急に…」

「あー、照れてる」

「俺をからかっているのかよ」


照れているのかは分からない。何故なら夕日が邪魔をしているからだった。夕日のせいで赤く染まった頬を見ることは出来ない。

そんな二人を押すのは沈みかけている太陽。さっきまで透き通った青空とは全く別ものだった。今は飲み込まれそうな勢いでいた。

「ツナ、私はツナのこと大好きだよ」

「なな、何急に言いだすんだよ」

「そういうとこが、可愛い」

「可愛いって言われても嬉しくない」

違う方向を向いて膨れる。それをみてクスッと笑う始末。素直に可愛いって言っているのだが相手には逆効果らしい。

「カッコイイよ、やっぱ」

「……」

「ツナは誰とでも分かち合えるじゃない。そこがいいし、おまけに強い。人を純粋に想うところなんか人一倍違うし」


そんな貴方が眩しいのよ――



「俺は人より優れたことなんてしたことないよ。ただ、皆を守りたい。それだけだよ」


眩しい。彼が輝いて見えるのはもう嘘ではない。それは彼が成長した明かしでもある。後戻りは出来ない。


――大空の向こうにあるのは輝き―







(オレンジに包まれて)
(俺らは成長していく)
((永久に誓うまで))




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