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□ショート
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死にたいだなんて、貴方はなんて馬鹿なのかしらね?
そう言ったのは貴女でした。
「猫は九回生き返るのよ」
「はぁ?九回とはまた中途半端な」
「日本だと偶数より奇数が縁起がいいの。だからじゃない?」
突然始まった彼女のうんちく。突然始まって突然終わるから僕は嫌いでしかたない。
でもそれが楽しいんですよね
「それから猫は死んでも虐められた相手を覚えているらしいのよ。猫が人に威嚇したりしなかったりするのはそのせいじゃないかしら?」
「……死にたい」
なんか言いたくなった。死ねばまた彼女に会えるのだろうか?そう考えただけで無償に死にたくなった。
「死にたいだなんて、貴方はなんて馬鹿なのかしらね?」
私たちは既に死んでいるじゃない……
暗闇の中で愛を刺す
愛は愛でもそれは歪んだ愛なのだ