禁断の花園
□番外編〜甘々Winter〜
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「うーっ寒いっ」
つい最近秋になったと思っていたのにあっという間に冷え込んでいつの間にか冬に入りかけている。
浩之は余りの寒さに思わずカーペットの上でちぢこまっていた。
「はい、暖かいお茶」
「ありがと、皆人」
皆人がテーブルにお茶を置き、嬉しそうに浩之がそれを両手で包み込んで暖を取る。
「あーあったかい〜!皆人の入れてくれるお茶はやっぱり美味しい」
「ありがと」
嬉しそうに微笑んで、浩之の向かいに皆人も腰を下ろした。
「それにしてもこの部屋冗談抜きで寒いよね…11月でこれなら2月とか耐えられないかも」
「うんうん、寒すぎる。
…どうしよ皆人、ストーブでも買う?」
「うん…」
そうしたいのは山々だが、2人で折半とは言え意外と広いこの部屋の家賃や生活費。
しかしそれでもいつもなら2人分の給料からそれらを除いても幾分か余裕があるはずなのだが、ついこの間の浩之の実家への里帰り費用で今月は苦しいのが現状で。
ストーブといえど、意外と値段がバカにならない。
来月は年末だと思うと貯金を下ろして買うのもためらってしまう。
2人は思わずため息をついた。