番外編
□夢狭間
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満開の桜の木の下に、無類の動物たちが集まっていく。
その中心には
ストレートヘアーの女の子。
桜の木を背もたれにして、眠っている。
彼女の膝の上には、気持ち良さそうに眠る野良猫。
肩や頭には小鳥。
足元には同じ様に犬や猫が横になっていた。
周りは他に何もいない。
彼女と動物たちだけの世界が、そこには広がっていた。
暖かく
優しい。
時の流れだけが止まっているようで。
僕は離れた場所で、彼女を見つめていた。
声も、瞳の色も。
何一つとして、彼女を知っているものがない。
それなのに、何故か
とても懐かしい想いがした。
- 夢狭間 -
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