星の光

□2話
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綺麗な絵画で彩られた壁。
落ち着いた色彩の絨毯が敷かれた廊下。
ただ、一度の衝撃波に一瞬にしてその場は破壊された。
ひび割れた箇所から、欠片が軽い音を立てては転がっていく。


仕留めた。確実に。
戦う術を持っていないフェリシアンにあの攻撃は避けることは不可能だ。
ライゼンは笑みを深めた。
視界を覆っていた土埃が晴れてくると、見えたのは横たわるフェリシアンの姿ではなく、明るい光だった。

「何だとっ・・・・!?」

光はフェリシアンの体を包み込んでおり、シールド替りの役割を果たしているのか、彼女の体は傷ひとつ付いていなかった。
意識だけ失っている。
ライゼンは表情をゆがめた。
この光をライゼンは知っている。

「忌々しい。封じられても、その意志は存在するか」

杖を掲げ、今度は自身の力で魔法攻撃をぶつける。が、攻撃は光に吸収され無効化されれてしまう。
どうしてもフェリシアン自身に攻撃を当てることが出来ず、地団駄を踏んでいると足音が聞こえてきた。
ライゼンはさらに舌打ちをした。
派手な攻撃をしてしまった為に、事態を把握した騎士団が動き始めたのだと、唇をかみ締める。



「姫っ!」

駆けつけたカラドが見たものは、ぐったりと倒れているフェリシアンの姿だった。
外傷はなく、呼吸はあることから意識だけがないことを確認して安堵する。
すらりと腰から愛用しているブレードを構えると、ライゼンと対峙する。
ライゼンの隣に魔族がいることを確認して殺気を飛ばした



2012.01.06

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