星の光

□0話
2ページ/5ページ



ディノスの隣に居る幼い少女。
少女の左手はしっかりとディノスに握られ、周りを物珍し下に瞳を動かしていた。
人々が注目―騒ぎの元―しているのがこの少女だった。
愛らしい容姿をした少女だが、身なりは薄く汚れていた。
青銀の髪、ぱっちりとした金と赤のオッドアイの瞳。その珍しい姿がさらに人々の不信感を募らせる。この国ではあまり見られない髪色と、オッドアイ。
元は白い膝丈のワンピースは灰色に汚れて、足や腕には小さな傷がある。

一目で孤児だということが分かる。
そして、決して人から受け入れられているようにも見えない。
まるで、異端だとばかりに迫害を受けてたことを匂わせている。
少女は自分に何が起こっているのか、理解できていないのだろう。
しきりにあたりを見渡しては、きょとんとしていた。


「陛下、その子供は…?」
大臣の一人がディノスの前に立ち、落ち着かない様子で少女とディノスを見比べる。

「この子は私の養女にする」
もう決めた。
はっきりとしたディノスの言葉にその場に居た者全員が驚きの表情をみせた。
ディノスに声を掛けた大臣の両手は信じられないとばかりに震えている。

「正気ですか!?見知らぬ子供ですぞ!?」
「お考え直し下さい!陛下!!」

大臣や国の重役達が次々と意見するなか、ディノスは全く聞き耳持たず、少女の頭を撫でメイドに身なりを整えるように告げていた。

ディノスには息子が1人いる。
時期国王の継承に問題はない。
なぜ急に養女を迎えるのか、国王の気まぐれは城中を混乱させた。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ