ある、晴れの日のことだった。

途轍もなくいい天気の日にその男は僕の目の前で聞いたこともないような暗い、鎮魂歌のような歌を謳って夜空のような傘を差していた。

他のものは彼に気付かない、



やはり何処にも見当たらないな


君が君であるうちに


ザワールドベストアンサー


溶け始めた真実を飲み干すように


全部ここにあるよ


一つだけ抜け落ちたジグソーパズルの美しさ


貴方の浮きでた手の血管を舐めさせて


君のサファイアドロップスをちょうだい


代弁者の足音と鼻歌


何にもしてないよほんとだようそじゃないんだよ


偽るのは止めたらどうだい?


わらえ
(笑え、哂え、嗤え、嘲え)





彼に何故そんな事をしているのか訊いてみた。

彼は可笑しそうにわらう。「君が一番知っているじゃあないか」

「君の心は土砂降りでこんなちゃちな傘じゃずぶ濡れさ、愛した人が死んで心の中じゃちっとも楽しくないレクイエムばかりさ」

彼は傘を畳んだ。

リズムの合わない鼻歌とともに彼は消えていった。

僕は最後に、彼に問いかけた。君は一体誰なんだと。

彼は答える

「心の代弁者、Mr.×××」

と。




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