短編夢小説
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何で…俺がこんなレベル“0”の奴に倒されてるんだっけ?
気がつきゃ、俺は無様にも薄汚ぇアスファルトに大の字で転がっていた。
倒された時の事とか、こいつの正体とか、目的も謎。
あぁ、本当に――
「――ワケ、分かんねぇ」
「何だ?お前…俺が叩き潰した理由、まだ分からねぇのか?」
本当に小さく呟いたつもりだが、そのクソ野郎は俺に手を差し出しながら聞いてきた。
あぁ――…本当に胸クソ悪ぃな。まんま、あのツンツン頭の偽善者野郎と同じことしやがって。
もちろん、俺はその手を払って自分の能力(チカラ)を使って、そのままの体勢で起き上がる。
「あん?一々、説教垂れんなよ偽善者(クソ野郎)。
んなもん…俺が知るワケねぇだろ」
すると、そいつは払われた手を呆然と見た後で呟いた。
「……コレが、世に聞く“ツンデレ”ってやつか?
でも……男でそれって、キショ」
偽善者改め、バカ野郎は意味の分かんねぇ事をほざくと、どうやら自分の世界に旅立ちやがった。
まぁ、そんな茶番にわざわざ付き合う必要もなかったから帰ろうと、そいつに背を向けた時だった。
「単純な話しだよ、レベル5の能力能力者(バカ野郎)。
てめぇは今まで“10031”回も人様の女(お気に入り)に手を出したんだ。
一発…じゃねぇが、殴られても文句は言えねぇだろうが」
「……ッ!!?」
俺は、そいつの言った内容に驚いて直ぐに振り向いた。
――そう、俺にとって重要なのは“女に手を出した事”じゃない。むしろ“10031回”と言う点だ。
俺は目の前の奴に手も足も出なかったから、自分でも“らしく”ないと思いながら警戒心を剥き出しにしてそいつに問い詰めた。
「てめぇ…それを一体どこで知った?
あの“実験(プログラム)”は学園都市(ここ)の上層部しか知らないはずだぞ?」
だけど、そいつは俺の問いなんぞガン無視して更に続けた。
「あぁ……そういえば言い忘れてた。お前は今日、今から“学園最強”じゃねぇから」
明らかにケンカ売ってる様な言葉に、頭に血が上り始めたところで更にそいつは言い切りやがった。
「なんっ!!?――
「その代わり、だ――お前は新しい称号をくれてやる。
悪ぃが、“サイキョウ”は俺が名乗らせてもらうからな。じゃあな“学園最悪”……一方通行(アクセラレータ)」
言いたい事だけ言うと、そいつはいつの間にか消えていた。
「ちっ……胸クソ悪いなぁ、オイ」
あいつが言った事は、はっきり言ってムカつくが、もう一つの方は不思議と気に入っていた。
「……“学園最悪”か、悪かねぇな」
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……まぁ、何だ?コレがこの俺、“学園最悪”と“学園サイキョウ(最強)(最凶)(最狂)(最恐)”の出会いってところだな。
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