ニコガク野球部室

□好きなあの人
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人を好きになるとこんなにもその人に会う毎日が楽しくなるなんて、
きっとこの上なく無いだろう。

ニコガク野球部室で朝っぱらからニコニコしている若菜を見た部員とマネ―ジャーは正直言っておかしいと誰もが思った。
なにか良い事でもあったのか、もしくは練習が楽しすぎるのか、と部員は考える。

「若菜君、どうして朝からニコニコしてるの?何かあった?」
「へっ?俺、そんなにもニコニコしてたか?実はさ…俺、好きな人ができたんだぁー!!」

マネージャーの八木が若菜に機嫌の良い理由を恐る恐る聞いた。
若菜が答えた言葉に部員が全員声を揃えて「えぇ!?」と驚いた。

「なんで俺気付かなかったんだろう。
なんか昔からスゲェ仲良かったのに一緒にいるだけでいつも心がこう…、ドキドキしてたんだけど。
昨日の夜にこの気持ちが分かってさ!!それからは…」
「おい。それは誰だ、誰を好きになった?」

若菜の意味不明な言い方に我慢ができなくなった桧山は若菜に相手を聞いた。

「そのうち教えてあげる。お前以外は誰でも分かる人だからさ。」
「んだとぉ!!テメェ殴られ…」
「そんなに怒るなよ。お前だからさ、清起。」
「ふざけんなぁー!!!名前で呼ぶんじゃねェバカ!!」

若菜は桧山に近づいてニコニコしながら挑発させた。
それに怒った桧山は拳を作って怒ったが若菜は桧山の耳元で色っぽい声で囁いた。
その言葉に顔を赤らめた桧山は怒鳴って怒った。
身内以外の人間に「清起」と呼ばれたのは川藤に一度言われてから無かったからだ。

乱暴に部室を出た桧山に若菜は少しニヤついていた。

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