2009夢
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今日は、3月17日。
卒業してから数日がたち、やることがなく家でゴロゴロする毎日。
「暇やぁ」
漫画を読んでいると携帯がなった。
「もしもー…」
『謙也、謙也、謙也、謙也、謙也ー!』
「あー、うっさいわ!電話でいちいち名前連呼すんな」
『ええやん、あんたの彼女がわざわざ電話してあげたんやからさ』
「………何の用」
『ははは、はいそこ、めんどくさがらなーい』
「用ないなら切るで」
『ちょっち、待って!』
「……ん?」
『今、謙也の家の近くにおるんよ。ちょっと会える?』
「おん、今暇やからええよ」
『じゃあ、謙也の家行くわ!』
「はぁ!?」
ブツ
ピンポーン
「早!?」
電話が切れたかと思うと家に響くチャイムの音。
早くないか!?とか思いながら外にでる。
「オッス」
「よぉ」
「オラ、ご●う!」
「何でや!」
コイツの挨拶代わりボケにいつものツッコミをいれる。
「どうしたん?」
「ちょっとそこまできたからついでに」
「ちょっとってお前の家、俺の家から結構遠いやん」
「う゛………深いとこは気にせんと。」
「ま、会えて嬉しいけどな。暇やったし」
「なんか、謙也恥ずかしいいこと普通に言うようになったよね」
顔を真っ赤にしてごにょごにょと小声で言うから何言ってるか聞き取れなかった。
「そ、そう!今日は渡したいもんがあってな」
「渡したいもん?」
「はい!誕生日プレゼント」
「誕生日?」
「今日やろ」
「ああ、………忘れとったわ」
「マジか!?」
「おおきに」
「へへっ、彼女っぽいだろ」
3月17日。
そういや俺の誕生日やったわ。
「それ渡したかったんや」
「わざわざおおきに」
「通りかかっただけやって。じゃあ、あたしそろそろ帰るわ」
「あ、なら駅まで送る」
「え!?いいよ」
「ええから」
駅の方に歩きながら春休みに何するかとか話した。
「駅ついちゃった」
「早かったな」
「ねぇ」
下向いて一人でぶつぶつなんか言っている。
「あ、明日暇か?」
「ん?どして?」
「する事ないし、明日暇ならどっか遊びに行かん?」
ふと思いついたことを言ってみると、パァっと笑顔になって
「いく!行くなりよ!」
さっきまでシュンとしてたのに、やっぱり笑顔が一番やな。
次の日、二人で思いっきり遊んだ。
end