長編

□夜明け前
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「つくづくお前と言う男は管理能力に欠けるな。
今回はたまたま作戦通りにいったが
結果が良ければと言うものでは無い、その過程である戦略と言うもので言えば大失敗だ。」

「国をかけての戦だ。
一人の勝手が罷り通るものでは無い。
本来なら武士としてこの責任は倉田もお前も切腹の所だ。」

銀時を正座させその前で何往復もしながら説教しているのは桂だ

倉田は怪我を追ったが命に別状は無く
治療に専念させている


「もう、分かったっつーの。
それより足崩しちゃってもいいですか、足痺れきっちゃってるんですけど。」

「…お前には反省と言う言葉を教え込まんといけないようだな。」


「えーそんなの猿の次郎くんでもやっちゃってるよ。
ヅラ膝貸せ。」

「ヅラじゃない桂だ。
お前の反省はポーズだけではないか。
真剣に話を聞けっ。」



「ヅラ、銀時には何を言っても無駄だぜ。
倉田には今回の責任として攘夷軍から離脱してもらう。」

暫く黙っていた高杉が口を開いた

「高杉…ヅラじゃない桂だ。」


「わし等にはこの国を守ると言う大義がある
だがおんしら自分達が同じ状況だったら
仲間を見殺しには出来んじゃ無かか?」


「フン…どうかな。」
辰馬の言葉に高杉はそう言い残し部屋を出た。

「ったく、相変わらず可愛くねー男だね〜。」
すっかり足を崩し寛ぐ銀時


「銀時、説教されてる時位鼻をほじるのを止めんか。
とりあえずこの連帯責任として銀時班は当分屯所の掃除を命ずる。
あと暫くお前には甘味はお預けだ。」

「マジで。」
指を抜いた鼻穴からは血が吹き出ていた


どの罰よりもこれが一番効く様だと桂と辰馬は再確認した






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