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□いつもの朝
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眩しい光が眠りの森から新しい1日の始まりを連れてくる

…うー…ん起きなきゃ…


布団の暖かさが心地好くまだ名残惜しい…

ふと側に誰かの気配を感じ
彼女は寝起きとは思えない程パッチリと目を開けた

がばりと上半身を起こし在る筈の無い物…
いや居る筈の無い者が居る事に驚き目を丸くする


寝ている自分のすぐ真横に肘枕をつきニヤリと笑う男が居たのだ

「なっ…おんし、人の寝床で何しよる
そ、その前にどうやって入り込んだんじゃ!」

枕を両手で掴み、頭である坂本のニヤケた顔に数回枕を撃ち下ろす


「あた…痛た…何って夜這いする言うとおんしが怒るき、朝這いしに来たぜよ。」

振り上げた枕をひょいと奪い取り
身を起こし左手で陸奥の頬に触れる
気の強そうな薄く締まった唇をつつ…と親指でなぞる
触れるか触れないかのタッチはゾクゾクと唇から甘い刺激を伝える

「あ、朝っぱらから何しゅうが。」
慌てて坂本の左手を払い腰をついたまま壁際に後退る
「何ってこれでしょ。」
そう言うと四つん這いで陸奥の側に寄り、
頤を親指と人差し指でクイっと軽く上げ唇を合わせ様と顔を近付けて来た
逃げられない状態にギュツと目を瞑り身体を強張らせる



ふと息が掛からなくなったなと思い目を開ける


「ありゃ、物足りなげな顔
可愛いちや。」


「なっ!!」








その後の詳しい事は陸奥は覚えてはいない

怒りでリミッター解除され
フルスイングで張ったのだろう
坂本の左頬には紅葉の様なひっぱたかれた腫れが暫く消えなかった


 


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