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□辰馬からの土産
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辰馬からの土産を桂がどっさりと預かって万事屋を訪れていた

一頻り話を終え、事件は菓子を一つ口にした後に起こった




桂の目の前に居る銀時に異変が起こり始める

「銀時…お前…象さん…」

「えっ!?出てるか!?」
銀時は慌てて自分の股間を確認する

「何でもねーじゃねぇか
びっくりさせんなよ
俺の象さんはさっきからずっと大人しいですぅ。」

「下ではない…顔だ。いいから早く鏡を見てみろ。」

「はあっ?」
何の事だと鏡を見に行くと己の顔の有り得ない変化に一瞬背筋が凍り、
それから疑問が叫びになった

「な、何じゃこりゃー!?」
鼻は伸びもろ象さんのそれで、耳がぱたぱたとこれまた愛嬌たっぷりに動いている

「どどど、どーなってんの!?
俺の端整な顔がどうなっちゃってんの!?
つか何でこうなってんの!?」

部屋を移動しながら桂に向かって捲し立てる

「おい、ヅラどーなってんだよ!こりゃあよう。」


「お前がさっき口にしたのはこれか?」

桂が手にしているのはチョコレートの詰め合わせで
愛らしい動物の顔がプリントされている箱

「そうだけど?それ結構美味かったぞ、ってそれ処じゃねーよ!!」

「ああ…お前がさっき口にしたのはアニ☆メタ(アニマル☆メタモルフォーゼ)と言って
食べた菓子の形によってそれぞれの動物に変身するミラクル高機能チョコレート菓子…と箱書きしてあるぞ。」

「はあっ?なんつー物を土産にしてんだよあいつは…。」

「試しに俺も食べてみた。」

「ですよね…段々馬面になってますよね。」

「ヅラじゃない馬だ、いや桂だ。」

「どーでもいいよ、処でこのミラクルいつ解けるんだよ、元に戻るんだろうな。」
「取り敢えず3分だけの変身らしい、やはり変身は3分が王道なのだな。」

「別にこれから地球守るって変身した訳じゃねーけどな
じゃあこれの他にも想像のつかない多機能菓子がまだあるかもしれねーんだよな…」

「そうだな、合コンやパーティーにはもってこいではないか、流石辰馬のチョイスだな主役間違いなしだぞ

じゃ、俺はここらで失礼する。」

立ち上がり部屋を出ようとする桂の肩を鷲掴んで引き留める

「なあお前これ持って行かねえ?
これさえあれば真選組からの追跡も簡単にかわせるって。」

「いや遠慮しておこう。
エリザベスと待ち合わせておるのでな。」

「いやいやそう言うなって、どうせ今日は神楽と新八は大江戸臨海パークに遊びに行ってんだ。
いま茶でも出すからゆっくりして行け。」

玄関へ向かっていた桂を強引に長椅子に座らせ段ボールの底にあった一本の瓶を手に取った

「あっそうそうこの高級そうな酒飲んでみたいと思わねぇ?
うん、こりゃあヴィンテージ物だよー滅多に飲めねぇって良かったな今日来て。」

口は笑っているが眼は必死だ

瓶のラベルには『パン・ド・ア・ラ・ケール』

いかにもじゃね!?

何か怪しくね!?

その後二人がどんなパンドラを開けたのかはさっぱり記憶に無く
万事屋に帰って来た神楽が部屋を見るなり志村家へ直行したのは後の新八談に拠るものであった





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