ONEPIECE
□アフターダーク
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いつもと同じ朝を迎える。
最近は太陽が昇る少し前に起きるようになった。
朝はいつも同じなのに、置かれている状況は数年前とは違う。
副社長になってからは毎日が思った以上に大変だった。
現場にも出なくちゃならないし、今は秘書代わりの仕事も務めている。
いつでも何をするにでも、責任だとか、そういうもんが付きまとう。
ギャンブルはもうやめたし、酒も煙草も控えている。
全てが変わってしまった。
嫌なわけじゃない。
ただ、少し寂しいだけだ。
決して埋まることのない穴が体中を今も着実に蝕み続けている。
俺だけがツラいはずないのに。
あの人だって変わらないはずなのに。
『―……お前には荷が重すぎたか』
西日に包まれた社長室で呟くようにあの人が言った。
違う、とは言えなかった。
あの人には何もかも見透かされているようだった。
俺は曖昧に笑うことしかできなかった。
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