ONEPIECE
□依存だなんて、生ぬるい
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それは昨日のことだった。
随分と大掛かりな仕事が終わったのはそのまた前の日だった。
職人達の疲れが溜まっていたようで、昨日はアイスバーグが早めに切り上げたのだ。
夕方前に終わるのは珍しく、彼らは少しハイになっていた。
「飯食いに行こうぜ!」
久しぶりに三人でどこかに行こう、と言い出したのはパウリーだった。
「またブルーノの店か?」
それより、金はあるのかとルッチは訊く。
「いいんだ!良さそうな居酒屋見つけたんだ!」
どぎまぎ笑いながら、パウリーはルッチの背中をポンポンと叩いた。
「ないんじゃろ、金」
冷静にツッコミながらも、どこにあるのかと目を輝かせてカクが訊く。
「それがさ、この前行ったカラオケ店あるだろ?あそこの近くなんだよ!」
「ほぅ、あそこの……」
カクは乗り気のようだった。
ポケットに金がいくら入っているか調べている。
「なぁ、いいだろ?」
パウリーは犬のようにルッチを見つめた。
パウリーが物を頼む時の顔は犬のようで、尻尾と耳が見えてきそうだと彼は頭の隅で考えた。
おまけにカクまで
「いいじゃろ?」
なんて見つめてくる。
かわいい、なんていうより、ここまでくると気持ち悪いとさえルッチは思った。
パウリーはまだしも、カクは算段なのである。
それを知っているので、ルッチは若干のイライラがあったのだが、この目には何とも適わない。
勿論、それをカクが知っているという事も彼は知っている。
「……わかったッポー」
やったー、とパウリーとカクはハイタッチした。
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