その他
□そこにあるのは何も無いもの
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そのまま時刻は夜の十一時になってしまった。
やはりふたりは無言のままだった。
止まない雨を見つめて、ジュリアが煙草の煙を吐く。
何もすることのないふたりは何の感情も持ち合わせず、ただ雨が上がるのを待っていた。
「ジュリア」
「何?」
「小夜のシュヴァリエについての情報は?」
「まだ分からないわ。彼女、自分の記憶すら無くしているし」
「そうか」
また会話が終わる。
雨の音だけが車内に響き渡る。
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