その他

□願わくば、もう一度
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「リク」


 目を開けると、助手席からカイがリクの顔を覗き込んでいた。補整されていない道路の上で、車がガタガタ揺れている。


「もうすぐ着くぞー」


 ミラー越しに父親――ジョージと目が合った。窓の外では、木が鬱蒼と生い茂っている。小道の上にある石や砂の感覚が直に伝わってくる。
 姉――小夜は心配そうにリクを見つめていた。


「リク、うなされてたよ?」


 リクは一瞬驚いたような顔をしていたが、大丈夫だよと、へらりと笑ってみせる。その顔に、小夜は黙って笑顔を返した。ぐりぐりとリクの頭を撫で回す。


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