甘〜ギャグ篇
□春の凍え
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まだまだ寒い、暦の上での春だった。
「……………」
真夜中、僕はじーっと彼が帰ってくるのを待っていた。
玄関で膝を抱え…所謂体育座りかな?どうでもいいけど、酷く足が冷えた。
何度も眠くなったけど、以前の僕では考えられない程、「我慢」をして、待っていた。牛みたいとか言わないでよ、あの子より僕は遥かに辛い「我慢」なんだよ。
何度目になるか分からない欠伸を噛み殺しつつ、ふ、と、これまた何度目になるか分からない考えが頭に過ぎる、
―――彼はいつ帰ってくるだろう?
でも、きっと今日は帰って来ないんだろうな。
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