カオス

□私の狗に手を出すな
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ロイ・マスタングの執務室は少し騒がしかった。


それというのも、



「ちょ、ヒューズ中佐・・・はなしてくださいよ。」

「おっまえいい体してんなぁ・・・。」

「うっわセクハラ発言やめてくれませんか?」


部下のジャン・ハボックと出張でこちらに来ているマース・ヒューズがいるからだ。


「・・・・・・おい」

ロイが少し怒気を含んだ声を出した。



・・・が、2人には聞こえていないようだった。


「お前本当犬みたいだな。」

そう言ってハボックの頭をぐしゃぐしゃと混ぜるヒューズ。

「・・・俺犬じゃないっすよっ!」

ハボックがそう言って頬を膨らませた時、ロイの声が執務室に響いた。



「そこの変態おやじ、(私の)ハボックを離せ」


「怖い怖い。そんなおこんなや。」

そう言ってヒューズはハボックから離れた。


「たいさ?」

ハボックはポカンとしている。


そしてロイはそのハボックを自分の元へ抱き寄せた。

「・・・大佐までセクハラですか?」

ハボックが茶化して言う。


「おい、ヒュ−ズ・・・」

「はいはい、俺は燃やされないうちに消えますよ。」

ヒューズが外に出て執務室のドアが閉まる。


「はぁ・・・。」

ロイは溜息をついた。


ハボックはロイを不思議そうに見つめる。


「ホントどうしたんすか?あんたらしくもない・・・。」

「お前のことになれば私はいつも必至だよ。それなのにお前ときたらいつもいつも・・・。」


ロイはもう一度盛大に溜息をついた。

そんなロイにハボックはなんだか申し訳なくなり、素直に謝った。

「その・・・すんません。何か心労かけてたみたいで・・・。」

するとロイは少し微笑んで言った。

「いや、いいんだ・・・」





(それさえも愛しいのだから・・・。)






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