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『梅雨に訪れた運命』
梅雨に突然訪れた運命の出逢い…。


気になる女の子が居た。
晴れている日しか逢えない女の子。
偶然なのかもしれないけれど、雨や曇りの日には逢った事がない。
背筋を伸ばしてピンと歩くその子の姿を見たくて、用もないのにその道をよく通った。
残念ながら数日前に梅雨入りしたので、梅雨明けまでは逢えないのだろう。
はぁ〜、早く明けろー!と毎日のように天気予報とにらめっこする日々が続いた。
その日は朝から雲一つない青空だった。
晴れている事に浮かれて折りたたみ傘すら持ってこなかった自分を恨めしく思った。
夕方から降り出した雨はどんどん強くなり、近くの店先に避難した。
この後は何もないし、まぁいっかと思っていると、同じく避難してきた女の子が居た。
髪に隠れて顔は見えなかったけれど、濡れている髪が目に入り、無意識のうちにハンカチを差し出していた。
『これ使って下さい…』
すぐに上げられた顔を見て驚いた。
逢いたいと願っていた女の子が目の前に居たのだ。
『え、あっ…ありがとうございます』
ひどく驚き、恥ずかしそうな顔をしていたが、白く綺麗な手が差し出していたハンカチを受け取ってくれた。
『傘は?』
『降る事は知ってたんですけど、急いでたら忘れちゃって…。あなたは?』
『朝きれいに晴れてたから、降んないのかと思って。梅雨だからそんなわけないのに』
『ふふっ…』
たわいもない話に花を咲かせていると、どんどん雨あしが弱まってきた。
『弱まってきた』
『そうですね』
雨が止んでしまったら別れなければならない。
もっと話をしていたい。
でも彼女を引き留める術を持たない。
それにしても…。
『雨でも逢えるんだ…』
『えっ?』
『あっ、いや…何でもない』
思っていた事が口に出ていたらしい。
いかんいかん、これじゃストーカーみたいだ。
『あの…晴れの日にこの辺をよく通りますよね?』
『えっ?』
『え、あっ…偶に見かける事があって…』
えっ?そうなの?!
『あ、俺も…晴れの日によく見るなと思ってた…』
恥ずかしくて空を見上げながら、それでも隣に居る彼女が気になってチラッと彼女を見ると恥ずかしそうに頬を染めていた。
『『あ、あの…』』
同時に喋りだした事が可笑しくて、お互い顔を見合わせ笑いあった。
『晴れてる日しか逢えないと思ってた…』
名前すら知らないけれど、不思議とどうしようもなく彼女に惹かれる自分が居る。
梅雨が開けなくても、晴れていなくても逢えるんだ。
毎日ワクワクしながら待ってるよ。


こんな運命があっても良いなぁ〜☆(梅雨は終わってしまい、時期外れの更新となってしまいましたが…)
久しぶりに純真な話を書いた気がします。。
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