パラレル

□きょうだい
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2階からがたんと凄い音がして姉さんが大声で叫んだ

それから静かになって小1時間2人は部屋から出てこなかった

部屋から出てきた2人は顔を真っ赤にしいてた

しかし2人とも幸せそうな顔をしていて安心すると同時に少し胸が痛んだ



「ちゃんと好きって言えた?」

そう聞くと姉さんは僕から視線を逸らした

「ちゃんと....じゃないかも言う前に先にキスしちまったし....」

僕ははあと溜め息をつく

「姉さんって本当口より先に手が出るよね」

「だって逃げられそうだったんだよ!」

「はぁ?何それ?」

「知るか!とにかく俺も必死だったの!」

姉さんは顔を赤くして頬を膨らませている

「もうちゃんと可愛く好きって言わないと駄目って言ったでしょ!」

僕はまた溜め息をついてしまう

「でもそれ俺らしくないし....それにうまくいったから良い」

さっきまで膨れていたのに今は凄く嬉しそうに笑っている

そんな姉さんを見て僕は苦笑した



姉さんはアルフォンスのことがずっと好きだった

そしてアルフォンスも多分姉さんのことが今でも好きだ

それを小さい頃から知っていてずっと2人を見てきた

素直になれない姉さんと1歩引いてしまうアルフォンス

そんな2人だから全然上手くいかなくて終には会わなくなってしまった

アルフォンスは何も言わないけれど姉さんは毎日アルフォンスは元気かとか彼女出来たりしたかなどと聞いてくる

そんなの自分で確かめなよと言うとしゅんとした顔をして出来ないなんていうのだ

いつも自信満々の姉さんはアルフォンスのことになると途端に臆病になる

どうやらずっと素直になれなくて怒ってばかりだったので嫌われたと思っているらしい

そんなことないと言ってもこれだけは絶対信じてくれなかった

アルフォンスの方は告白してくる女の子全員に好きな人がいるからお付き合い出来ませんと断っている

だからまだ姉さんのことが好きなんだろうと思っていた

これで違う人だったら驚きだけど

何でも器用にこなすのに恋愛には徹底的に不器用な姉さん

そんな姉さんが告白したいと言いだしたのだ

この国を離れる前に伝えたい

断られてもここを離れるから気まずくないし気持ちだけでも知って欲しい

そう相談してきた

姉さん的には玉砕覚悟らしい

じゃあ明日アルフォンスを家に呼ぶと言うとこくりと頷いた

僕は前みたいにすぐに怒っちゃ駄目だよとか可愛く好きって言わなくちゃ駄目だよなど色々アドバイスした

けれど解ってるよと顔を真っ赤にして突っ掛かるだけだった

だから少し心配だったのだがどうやら想いは伝わってめでたく恋人同士になったらしい

それが僕にはとても嬉しくてそれと同じくらい辛かった



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