パラレル

□せんせいとせいと
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物理準備室の扉を開けるとそこに1人の生徒が座っていた

「あっアルフォンス....先生!」

部屋に入ってきた僕に気づいた彼女が嬉しそうにこちらを振り向き僕の名前を呼ぶ

彼女は僕の白衣を着込んでいてこちらに駆け寄ってきた

「見て見てアルフォンス....先生の白衣1度着てみたかったんだ
でも大きくてかなりぶかぶかだけどな」

そう言いながら余っている袖を振って見せてくれる

僕が平均より背が高いのもあるかもしれないが彼女はとても小柄なので白衣は本当にぶかぶかだ

丈も長くて足がほとんど見えなくなっている

白衣を着て僕のシャツを掴み上目遣いで見上げてくる

その行動がたまらなく可愛らしいと思った

「アルフォンス....先生どうした?勝手に白衣着たから怒ってるのか?」

小首を傾げ不安そうな表情をしてそう聞いてきた

僕は微笑んでみせて首を横に振る

「いいえ怒ってませんよ....ただ可愛いなぁと思って見惚れていただけです」

僕の言葉に彼女は一瞬きょとんとした顔をし次の瞬間真っ赤にした

「なっなな何言ってんだよ!俺がかっ可愛いなんて有り得ないだろ」

顔を真っ赤にして凄く照れている姿は更に可愛らしい

そんな彼女がとても愛しくてそのまま引き寄せて抱き締めた

「あなたはとても可愛いですよエドワードさん」

耳元でそう囁くと更に顔を赤く染めた

顔を見られたくないのか僕の胸に顔を埋めてしまった

そして背に恐る恐るといった感じで腕を回してくる

「なっなあ....アルフォンス....先生」

胸に顔を埋めたまま小さな声で問かけてくる

「はいなんですか?」

「あのな....あの....な」

いつもはきはき物事を話す彼女にしては凄く歯切れが悪い

そして何かに脅えるように身体を震わせはじめた

どうしたら良いのか解らず安心させようと思い抱き締める手に力をこめ頭を優しく撫でる

そしてどうしたんですかと優しく聞く

彼女はぎゅっとしがみついたままゆっくりと話始めた

「アルフォンス....先生俺たち恋人同士....だよな?」

「はいそうですよ」

僕が即答すると彼女がゆっくりと顔を上げた

僕を見る表情はとても不安そうだった

「じゃ....じゃあなんで俺のこと抱いてくれないの?」

彼女の目から一筋涙が零れ落ちた



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