パラレル
□せいちょうしないからだ
1ページ/19ページ
入学したての大学のキャンパスを歩いていると後ろから呼び止められる
振り返ると同じ科の見知った子が顔を真っ赤にし目をきゅっと閉じて立っていた
「あのハイデリヒくん好きです....良かったらお付き合いして下さい」
赤かった顔を更に赤くして少し震えながらの告白
そんな仕草がとても可愛らしくて微笑ましいと思ってしまう
「ありがとうございますとても嬉しいです」
彼女は僕の言葉に目を開く
「でもすみません....僕結婚してるんです」
僕は彼女に左手の薬指に輝く結婚指輪を見せた
「えっ?えっ?けっ結婚!?」
予想もしない答えだったのだろう
彼女はそう言って口をぽかんと開けて僕を見ていた
「はい1ヶ月前に結婚して今新婚ホヤホヤなんです
僕なんかを好きになってくださってとても嬉しいんですがそういうことなのでごめんなさい」
丁重にお断りをして頭を下げるといえそんなっこちらこそごめんなさいと言って走り去ってしまった
その後ろ姿を見送って帰宅する為に校門へ向かった