パラレル

□心はずっと一緒
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「なあアルフォンスは俺のこと欲しいって思うか?」

こんなことを言うのは凄く凄く恥ずかしかった

けれどこのまま待つことことももう出来なかった

俺を見るアルフォンスはきょとんとした顔をしている

そんなアルフォンスをただ黙って見上げた

すると顔を赤くして目を逸らし少ししてまた俺を見た

「はい」

その返事に顔が熱くなる

アルフォンスが俺の手をとってぎゅっと握ってくれた

そして優しく笑いかけてくれる

「大きくなったらエドお姉ちゃんを僕のお嫁さんにしても良い?」

予想外の言葉に目を丸くする

その言葉は凄く嬉しいけどなんだかはぐらかされた気分だ

俺はアルフォンスの手を強く引いて歩き出す

「えっエドワードさん?どうしたんですか?」

「俺の部屋行くぞ!」

「え?え?えぇ〜」

それ以上何も言わず戸惑うアルフォンスを引きずっていった



家に着いてアルフォンスを引きずったまま家の鍵を開けて上がる

アルフォンスは何か言っているが無視して部屋まで引きずり部屋のドアを開けて引き入れる

アルフォンスは状況についていけずに不安そうな表情で俺を見つめている

そんなアルフォンスを見たままブレザーを脱ぎ捨て制服のリボンをほどきブラウスも脱ぎ捨てた

アルフォンスは驚きに目を見開いている

「俺のこと欲しいって思うかってのはこういう意味だよ!どうなんだよ?俺のこと欲しいって思うか!?」

アルフォンスは目を見開いたまま俺のことを見ていたが少しして自分のブレザーを脱いで着せかけてくれた

見上げると困ったような顔をしている

勇気を出して脱いだのに欲情もしてもらえないなんて

なんて惨めな女

気づいたら泣いていた

そんな俺をアルフォンスは優しく抱き締めてくれた

でも今はそんなのちっとも嬉しくなかった

解っていたけどやっぱり魅力無いんだ

抱き締められても嬉しいどころが悲しくて辛い

好きな人に欲しがってもらえないことがこんなに悲しいなんて思わなかった

俺はつい声をあげて泣いてしまった

情けないけれど本当に悲しくて止まらないのだ

アルフォンスは優しく頭を撫でてくれる

その手は温かいけれど拒絶されたことが悲しくて涙は止まらない

「泣かないで下さい」

そう声をかけてくれるけれどしがみついて更に泣いた



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