携帯擬人化
□June
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初夏らしく蒼い空が広がっていた。
学生達の制服も夏服に代わりもう数週間が経つ。
そんな清々しい日に、重々しくため息をつく男が1人。
彼の名前は響。
ここ、モバイル学園の国語科教師だ。
今、彼の目の前には重々しい扉。
その扉は学園長室のもので、響はそれを開けなければならなかった。
「(帰りたい…)」
彼がそう思っているのは、いうまでもない。
今から3分前の事である。
響が国語科資料室──自分の城で昼の一服をしていた時、なんの前振りもなしに校内放送が流れたのだ。
《高等部国語科の響先生、今すぐに学園長室に来なさい》
それだけ言って、プツリと放送は途切れた。
用件なし、しかも命令形。
響はシカトを決め込むと、自身が着ている白衣のポケットに手を入れる。
中にあるものを取り出そうとしたその時、
《来ないならば減給とします。それと、響先生。学校内では禁煙ですからねvV》
再びプツリ、と切れたそれを聞いて響は白衣の中から慌てて手を引っ張り出した。
そんな恐怖的な出来事のおかげで、響はここまで走って(ほぼ全力疾走)きたのだ。
響は切れた息を整えて、扉をノックする。
返事は返ってこなかった。
仕方がないのでおそるおそる扉を引いてみると───何かが響に飛び込んだ。
「ゔぉぉぉ!?」
「……チッ」
それをギリギリのところで響は避ける。
すると小さい(全然小さくない)舌打ちが聞こえた。
響は心拍数を(悪い意味で)上げながら、ゆっくりと息を吐き出す。
「じょ、冗談はよしてくださいよ、学園長」
「来るの遅い」
「シカトっすか…」
響の前にはこの部屋の主、学園長───もとい、可愛らしい少女が立っていた。
白い羽の様なものが背中に付いていて、かなり幼いその頬を膨らませている。
右手には何故かエアガンを持っていた。
(余談だが、常にその標的は響に向いている)
どこか不思議な感じのする少女だ。
実際にただの少女ではなく、このモバイル学園を纏める学園長なのだが。
(この事を知っているのは、教頭と響だけである)
「で、用ってなんなんすか」
響が学園長室の高級ソファーに勝手に座りながら言う。
学園長も自身のデスクチェアーに腰掛けた。
「あのね」
「はい」
「実は───…
──というわけで、ヤバイんだよねぇ」
「…マジっすか」
「うんうん、大マジ。本気と書いてマジと読む」
「微妙に…いや、かなり古いな!」
話の内容はこうだ。
来週末からモバイル学園高等部で1学期最後の定期試験が行われる。
そして今回のテスト後に今学期の成績が集計されることになっている、のだが。
前回のテストの結果から、[今回のテストミスったら単位危ういんじゃね!?]という生徒が判明したのだ。
1年のナリに、2年のライ。
どちらの生徒も響が担当している部活の生徒である。
「だからさ、その2人の事を先生に頼もうと思って」
「は?」
「頑張ってね、ひークンvV」
「ちょっ、ひークンって何!?頼むって何ィィィ!!?」
響の声が、学園中に響き渡った。
学園長は最強権力者!
(叶う者ものなど、居やしない)
「何でオレがんな面倒臭いことしなくちゃなんないんスか!」
「……夏のボーナスの事なんだけどさ、ぶっちゃけあれって半分の量でもy」
「オレに任せてください!学園長、是非ともォォォ!!」
響が泣き叫ぶ中、学園長がニヤリと妖しく笑っていたのは、誰も知らない。
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まず始めに。
土下座しても い い で す か !
中途半端だし、遊びすぎました、ごめんなさいごめんなさい。
しかも壱の名前が出てないィィィ!
本当、すみませっ…!!
080705