復活!


□暑苦しいという幸せ
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嗚呼暑苦しい




なんでこんなに暑苦しいんだ



…いや、理由は分かってるけどさ



「…雲雀?重い」



「失礼だよ」


「全体重かけて乗るのやめろ。降りろ」



そう言えば雲雀は渋々ながらも俺から降りた

やっと体に自由が戻ったので、今度は俺が雲雀に乗っかってやった




「…どうしたの?」



何の苦もないような口調でそう言った雲雀
…意味ねぇじゃん

もっと体重増やそうかな


あ、鍛えればいいのか

脂肪よりも筋肉の方が重いからな



…これでも、鍛えてんだけどな


「ちょっと…、…ねぇ?」



「…んー?」



「なんで人の上に乗りながら一人で考え事してるかな…僕どうしたら良いかわからなくなるんだけど」


ムスッとした顔(多分本人にとっては結構怖いつもりの顔)で俺を見てくる



「…さっき乗るなって言ってたのに…君は乗るんだ」


「だって重いだろ」


「…まあね」



何だその微妙な反応


やっぱり重くないのか



なんて俺が再び一人の世界に戻ろうとしたところをでこぴんで強制送還された


「…いてぇな」


「じゃあ聞くよ。」


じゃあってどこから続いてんだ


「どうして僕は君に乗ったのかな?」


なんて簡単な問題だ

…それは


「「触れていたかったから」」


「…正解。どうして分かったの?」


「…俺も、触りたかったからだよ」


ふふ、と笑う雲雀

それはいつもの馬鹿にしたような笑いではなく、心底嬉しいという笑いだった


「二人とも同じ思いなら、こうすればいいよ」


雲雀は俺を抱きしめて、そっと唇を重ねて来た

それはとても短いものだったが、そのあとも俺達はずっと抱き合っていた


暑苦しいけど


幸せだと感じるのは


まぁ当たり前だな








→Nextは後書きでございます
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