D灰


□笑顔
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雪が静かに降り始めた12月の夜






アレンは




雪が溶けていくように





ひっそりと 死んだ







まだ綺麗なままのアレンを始めに見つけたのは、オレだった




雪が積もりかけていて、ただでさえ白いアレンがもっと白く美しく見えた





その時の記憶の中で



それが1番鮮明に残っていた





曖昧な記憶の一片で




皆 泣いていた




リナリーやミランダは泣き止むことを知らないくらいに、立ち上がれなくなるまで、涙が枯れるまで



ジョニーやクロちゃんは鼻水だらだらで
涙を洪水のように流していた



リーバーや科学班の皆は
男泣きってやつで




コムイは見ているこっちの胸が張り裂けてしまいそうな顔でアレンを見ていた




ユウだって普段余り見ない寂しさとつまらなさが混じったような顔…と言っても微かなものだけど…をしていた






オレは?






オレは皆を慰めたり、励ましていた





そのときに皆口々にこう言った





「なんでラビは泣かないの?」










…泣いてないわけ、なかった




皆が寝静まった夜





アレンが死んだと思われる時間に





毎日伸をつかって
誰もいないところに行って




号泣しているんだ




アレンとの思い出



沢山の思い出




それを胸に




空に向かって泣いているんだ






目を腫らして皆に会ってるから、多分皆気付いてる



「なんでラビは(私達の前で)泣かないの?」




そう、言っているのだ






数ヶ月経って、教団はやっと落ち着きを取り戻してきた





アレンのことは忘れてはいないけど





…人の死なんて こんなものだから






………でも





オレは毎日毎日、空に向かって泣いていた





号泣はしなくなったものの、溢れる涙を止める術を思い出せなくて




ずっと 泣いていた








 
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