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□季節のカカイル
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夏のおはなし
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夕日に向かって「夕日に向かって走ったこと、あるんですか?」
ふとした会話から、妙な方向へ流れていた。
最初は、この夏は海にでも行きたいと言ったんだとおもう。
それで気恥ずかしさを誤魔化すように、海辺でも走りますかと返ってきた。
「青春ですね」
「やめてくださいっ。濃ゆいモン、思い出しますからっ」
なんて、どんどん色気のない会話になってったんだ。
「ガイ先生なら、夕日に向かって走っても、追いつきそうですよね」
「はあ」
気のない返事をしてしまうのは仕方がない。
でも、ガイなら、というところが気になった。
「夕日に向かって走ったこと、あるんですか?」
「ええ……子供の頃に」
小さな子供が夕日に向かって走る。
まるで、夜から逃げるように。
そんな光景が見えた気がして胸が痛んだ。
淋しい顔が見たくなくってきつく抱きしめる。
【了】
‡蛙娘。@iscreamman‡
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WRITE:2005/07/08
UP DATE:2005/07/14(PC)
2009/01/27(mobile)