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□季節のカカイル
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秋のおはなし
色づく錦「流石、実りの秋……」
火影岩の上に広がる森で、カカシは感涙に咽ぶような声を出した。
「こんなトコに熟れ熟れのイルカ先生が落ちてるなんて」
「アンタなあ……」
長いこと木の根元に座ってたせいで降り積もっていた落ち葉ごと抱きしめた人は呆れ、憤った声で唸る。
多分、色々とツッコみたいところがあったのだろうが、こういった言葉遊びでも1歩もひかないイルカはにやりと口元を歪ませた。
「ああ、そう言えば、さっき誰かが別のイルカを持ち帰ってたなあ」
ぴしりと固まったカカシに気をよくし、耳元へさらに吹き込んでやる。
「第一、拾い物を持ち帰ったら、オレがどんな反応するか……」
「分かりました」
ぼつりと落とした低いカカシの声に、今度はイルカが固まった。
「アンタはここで頂いていきます」
やりすぎたらしい。
ただの冗談、なんて言い訳を飲み込ませるほどの壮絶な笑顔でカカシは言う。
「ついでに、アンタを拾っていったって人のことも聞いときましょーか」
【了】
‡蛙娘。@iscreamman‡
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WRITE:2005/10/23
UP DATE:2005/10/23(PC)
2009/01/27(mobile)