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□ボクの先生はヒーロー
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僕の先生はヒーロー
 
13 戦う者



───これより敵を殲滅する

 3代目火影が一声発すると里全体が動いた。

 忍びの里だ。

 どんなに平和そうに──暢気そうに見えても常に何者かの脅威を感じながら生活してきた者たちばかり。

 対応は迅速で的確なものだった。

 しかし、敵はまだ姿を見せず、ただ映像のみを流してきているに過ぎない。

 今はまだ、忍者としての能力を持って、索敵を行なうだけだ。

 次々ともたらされる情報に、カカシとアスマは立ち上がった。

「オレも、出ますよ」

「しょーがねえ」

「うむ」

 頼もしそうに頷く3代目を他所に、カカシは両手でイルカの手を取って握り締める。

「必ず、帰ってきます。ナルトと一緒に……」

「カカシさん……」

 イルカもその手を握り返して不安そうに、だが信じていると告げるように見つめ返す。

「さっさと行かぬかっ!!!」
 
 そんな2人を引き裂くのは、こめかみに青筋を立てられた3代目火影の一喝と、カカシ目掛けて投げつけられる煙管。

 けれどカカシの姿は煙となって消えうせ、煙管はイルカが受け止めていた。

 カカシの向こうに立っていたアスマの寸前で。

「じゃ、行ってきーまっす」

 執務室の窓から消えるカカシにイルカはご無事でと告げ、何事もなかったかのように煙管を3代目へと差し出す。

「3代目、むやみに物を投げないでくださいね」

「……分かっておるわ」

 イルカにたしなめられたことか、それともまだ腹に据えかねることがあるのか。

 3代目は苛立ちを紛らわせるかのように、まだイルカと煙管を交互に見ているアスマをつまみ出した。

「おぬしもさっさと行かぬかっ!」

 
【続く】
‡蛙娘。@iscreamman‡
[http://id54.fm-p.jp/120/iscreamman/]

WRITE:2006/01/05
UP DATE:2006/02/02(PC)
   2008/12/05(mobile)
 
 
14:恐るべき子供たち

 
 
 
ボクの先生はヒーロー

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