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□ボクの先生はヒーロー
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僕の先生はヒーロー
 
21.5 脱線 先生は魔法少女



「イルカ先生ーっ!」

 カカシの叫びと同時に、キラキラと尾をひいて飛び出したなにか。

 優雅に里の上空を飛び回り、ふわりと火影執務室の上へ下り立つ。

 建物の崩壊に巻き込まれたはずの忍びたちもともに。

「……あれは……」

 我が目を疑うカカシを他所に、里全体が地鳴りのような低い歓声に包まれていた。

 全ての目が、多くの者を救ったその人へ向けられている。

 すっきりと鍛えられた足は膝まである可愛らしい縁取りのブーツに包まれ、風にはためく股上ぎりぎりまでの短いスカートとの間に絶対領域を形成している。

 何枚もの葉を重ねて作ったような深い緑のミニドレスの胸元は大きく開いているが、真っ黒なマントを止める深い緑色の宝石で僅かに隠されている。

 剥き出しの腕には何本かの腕輪が蔦のように絡みつき、ブーツと同じ縁取りの手袋をはめた右手には可愛らしい杖を握っていた。

 額当てはなく、若草色のリボンと木ノ葉型のアクセサリーが結い上げた髪と耳元で揺れている。
 
「……出てきちまったか……」

 ため息のようなアスマの呟きは周囲の歓声にかき消された。

 子供の頃から変わらないイルカの姿に戦闘中の忍び全員の眼が釘付けとなっている。

 ただ本人は非常に恥じているらしく、ミニスカートの裾を精一杯引っ張って伸ばして翻らないよう懸命に押さえている。

 イルカにとって救いなのは、アカデミーで受け持っている子供たちが顔岩の裏へ避難済みでこの姿をさらさないですむことぐらいだ。

「フォックス星人っ」

 手にした杖で中空を指し示し、イルカは問い掛ける。

「これ以上木ノ葉隠れの里を襲うというのなら、私が相手になりますっ」

 きっと顔を上げ、羞恥心やら自尊心やらとの葛藤を振り切って。

「この、魔法少女イルカがっ!」

 その瞬間、心を1つに歓声をあげる木ノ葉隠れの忍びたち。

 イルカは静かに魔法の呪文を唱えだした。
 
 
【続……きません】
‡蛙娘。@iscreamman‡
[http://id54.fm-p.jp/120/iscreamman/]

WRITE:2006/07/10
UP DATE:2006/07/13(PC)
   2008/12/07(mobile)
 
 
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