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□クリスマスまで待って
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クリスマスまで待って
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【序】
クリスマスのだいぶ前 木ノ葉学園では年末になると、大掛かりなクリスマスを行っている。
12月1日のメインツリー点灯式に始まり、翌年1月6日の顕現祭───エピファニーまで。
1ヶ月以上───毎日ではないが、様々なイベントで在校生だけでなく近隣の住民たちを楽しませる。
そんなクリスマスは生徒の自主運営に任されていて、委員は各学年から2人選ばれる。
海野イルカが友人の月光疾風と共に中等部2年の委員に任命されたのは2学期の半ば。
まだクリスマスには程遠い時期だった。
しかも、重要な仕事の殆どは大学部や高等部の委員しかできない。
中等部の委員は各学年への伝達や、ちょっとした雑用。
それでもイルカは不満も言わず、小さいながらも率先して立ち働く。
トレードマークのポニーテールをちょこまかと揺らして。
その姿の愛らしさもあるが、素直で人見知りもなくほどほどに気の強いイルカだ。
数日もしないうちに運営委員の間で最も顔が知れるようになっていた。
もちろん、よい意味で。
* * * * * 一方、高等部3年の運営委員である畠カカシは『受験生』という肩書きを免罪符に、委員の会合をことごとく欠席していた。
カカシ自身は委員会からの情報は把握しているし、学年への連絡事項も他の委員から伝わっているから問題はないと考えている。
流石にリハーサルや式の当日は人手のいることだから、顔は出すつもりだ。
本人はそれで十分に役目を果たしていたし、彼の周囲も納得していないが黙認せざるを得ない。
なぜならカカシは筋金入りの合理主義者で、恐ろしく弁が立ち、大概の事はなんなくこなせる非常識に都合のよろしい能力の持ち主でもあった。
過去にこの様な出来事がある度、カカシに打ち負かされた生徒と教師は何人もいる。
いまや彼が委員会を欠席したところで、誰も文句は言わないのだ。
最も親しい───けれど友人とは認識されていない、内扇帯人の他は。
だが、そんなカカシに予想外のハプニングが降りかかろうとしていた。
だれも予想していない形で。
このクリスマスに。
【続く】
‡蛙娘。@iscreamman‡
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WRITE:2009/12/01
UP DATE:2009/12/02(mobile)