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□消失点 〜 Vanishing Point 〜
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 彼らは忍者アカデミーであの子供と同期だったけれど、大人たちに倣って仲間外れにしたりはやし立てたりするような事はしていなかったらしい。

 それは彼らの家庭の事情や本人の性格もある。
 それでも、級友たちの尻馬に乗って、ということもなかったのだろう。

 今だって、ただあの子供に全てを背負わせるだけの里人とは違う目で、通りを見つめている。

「ね、お前らの先生って、どんな人だった?」

「……ミズキ、の事か?」

 苦い物でも口にしたかのように眉間の皺を深くしてサスケは問い返し、ヒナタも珍しく嫌悪感を滲ませた声で答えた。

「……ミズキ、先生は、なんだか好きになれなくて……」

「保護者や教師の評判は悪くなかったが、アイツの笑顔は胡散臭かったぜ」

「ふぅん。 そっか」

 ミズキという中忍が彼らをアカデミーで受け持っていた教師であり、信頼していたあの子供を唆した裏切り者だ。

 一度、3代目に許可を貰って会っておくべきかもしれない。
 あの子供にとって、ミズキという男が唯一の《先生》だったのだから。
 
 
【続く】
‡蛙娘。@ iscreamman‡
[http://id54.fm-p.jp/120/iscreamman/]

WRITE:2014/01/31
UP DATE:2014/02/01(mobile)

 

 
消失点 〜 Vanishing Point 〜

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