Happily Ever After
□Saint School Life
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UP DATE:2023/12/11
write by kaeruco。
[http://id54.fm-p.jp/120/iscreamman/] 星矢と瞬の感想に、居間に居た兄弟らも同意を示す。
定番の薄焼き玉子で包まれたオムライスにそれぞれケチャップで名前を書き入れた楽しさと想像以上の難しさを語れば、自ずとサガの失敗も披露されて笑いを誘う。
更に星矢がねだったふわとろオムライスの未知の味わいや、様々なバリエーションがある事で次はどんな組み合わせを頼むかという話まで。
「まあ、とても楽しそうで何よりです。だけど、私も食べたかったわ。どうして教えてくれなかったの?」
兄弟たちの会話に微笑み相槌を打っていた沙織が態とらしく拗ねてみせる。
すると慌てたのは邪武であった。
一輝が懸念した通り、オムライスの事を知った戦女神が興味を示される。
しかし、事前にお伺いは立てていたのだが。
「け、今朝、辰巳に確認しました。本日の昼食は必要かどうか……」
その言葉を聞いた沙織のご機嫌が、本格的に傾きだす。
平坦な声音で、常に側に付き従っている執事を呼ばわった。
「辰巳?」
「は! 本日、お嬢様は会合にご参加の予定でしたので昼食は不要と伝えました、が……」
これは双方の言葉足らずによる確認ミスであろう。
辰巳は状況を知らず、ただの昼食の有無の確認として応答してしまった。
せめて邪武が、一輝がオムライスを作るという前提条件を話していれば、とも思うが今更である。
「……次からはきちんと連絡事項の内容を把握して、お互いに確認しあってちょうだい」
「はい! 申し訳ありませんでした!」
「はっ! 次は必ず!」
平身低頭で謝罪する辰巳と邪武を置き去りに、星矢と瞬は完全に拗ねてしまった戦女神のご機嫌を戻すため、一輝を探しに居間を抜け出した。
頼りになり過ぎる精神的長兄ならば、きっとなんとかしてくれる。
そう信じて。
【続く】
‡蛙姑。@iscreamman‡
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WRITE:2023/11/13〜2023/12/09
UP DATE:2023/12/11