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□ボクの先生はヒーロー
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僕の先生はヒーロー
 
3 抗う者たち



 3代目火影の執務室には、里に常駐する上忍の殆どが集められていた。

 下忍を担当する上忍師のカカシ、アスマ、紅、ガイ。

 その他の者も、里屈指の実力者ばかり。

 そこへ、受付所での調査をまとめてきたイルカが加わった。

 3代目はまず、ここまでに入手できた情報を報告させる。

「どうじゃ」

「現段階で確認された行方不明者は27名。内訳は上忍2名、中忍5名、下忍1名、アカデミー生6名、他は一般人です。受付所を始め、荒らされたのは14箇所。ですが、物が無くなったという報告はありません」

 イルカが短時間で纏めた大まかな報告書を提出すると、3代目は悲痛な顔をする。

 アカデミー生は忍者候補生ではあるが、それ以前にまだ子供だ。

 なのに6名も行方が知れなくなっている。

 常日頃から里の人々を家族と言ってはばからない3代目には、非常に辛いことなのだろう。
 
 上忍たちへも行方不明者と荒らされた箇所のリストを渡し終わったところで、3代目は立ち上がる。

「今、何が起こっておるのか、起ころうとしておるのか、ワシにもまだ分からん。とにかくお前たちは部下たちの無事を確認次第、この件を調べて貰おう……」

「はっ」

 次々に散ってゆく上忍たち。

 だが、カカシは最後まで残った。

「イルカ先生。里の地図を用意して、このリストにある場所をチェックして貰えませんかねえ」

「関連性を推測するんですね。分かりました、すぐに準備します」

「お願いします」

 カカシの意図を察し、すぐにイルカは必要な物を思い浮かべる。

 地図は勿論だが、場所を示すマップピンも3種は要るだろう。

 他にしなければならないこととの順位立てをしながら、イルカもカカシと並んで執務室を後にした。

 彼らの連携を3代目火影が頼もしそうに見送っていたことなど気付かずに。

 戦備倉庫へ向かうイルカとの分かれ道で、カカシはイルカの肩を叩き、明るく請け負った。

「お互い、大変ですね。オレはナルト達連れて、すぐに戻ってきます」

 彼らは大丈夫だからと気遣う微笑みを残してカカシは姿を消した。
 
 一瞬で見えなくなったその背を思い、イルカは心の中で頭を下げる。

───どうか、あいつらをお願いします

 
【続く】
‡蛙娘。@iscreamman‡
[http://id54.fm-p.jp/120/iscreamman/]

WRITE:2005/11/04
UP DATE:2005/11/14(PC)
   2008/12/05(mobile)
 
 
ボクの先生はヒーロー

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