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□バースデーシグナル
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バースデーシグナル




スクールデイズ4



 切れた電話の内容を帯人は訝しみながらもカカシと倫へ報告した。

 カカシも何か引っかかるのか腕組みをしてテーブルを睨んでいる。
 倫はいつものごとく、ポテトフライをもすもすと食べ続けているが。

「……やっぱり、妙、だよなぁ……」

 カカシへの情報漏洩に対して、保護者会の実質的リーダーである明日真は想定内だと言った。
 そして倫へ情報を与えたのは紅と杏心。

「仕組まれたリークってヤツだよねぇ」

 多分、帯人が探りを入れるために報告してくることしら想定されている。

 だが解せないのはどうして誕生日だけ知らせてきたのか。
 イルカに関してはカカシの事を害虫か汚物とでも考えているようなあの保護者会の面々が。

「だよなぁ」

 目の前でもすもすとポテトフライを食べる倫に視線を向け、カカシと帯人はため息をつく。
 どうせなら、もっと早い段階で知らせてくれれば対処のしようもあったのに。
 
 保護者会が情報漏洩のルートとして帯人ではなく、倫を選んだのはこのタイミングを狙ってだろう。

 いつ吹き込まれたのかは知らないが、普段はお喋りなクセにいざという時には悪気なく肝心な情報を絶妙なタイミングでしか言い出さない彼女にはうってつけの役所だった。
 保護者会としてはこうしてぎりぎりに知らせて慌てふためかせてやろうなんて魂胆があるのかもしれない。

 ちなみに、もし帯人だったならば多分双方にとって最悪のタイミング……例えば1日過ぎてからとかで暴露してしまう可能性もなきにしもあらず、である。

「ま、とにかく」

 カカシが睨む時計の針は1時を数分回っている。
 倫によれば誕生日会は6時半から。

「あと、5時間ちょっとか」

 それまでに、イルカへの誕生日プレゼントを用意し、渡す方法を考えなければ。


 
【続く】

WRITE:2011/05/26
UP DATE:‐/‐/‐(PC)
   2011/05/26(mobile)
 
 
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