カカイル2

□悪夢の童話
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悪夢の童話
〜 Nightmare Tales 〜



いばらの城に眠る姫



 いばらに覆われたお城にカカシという男が眠っておりました。

 カカシは王子で、生まれた時に16歳の誕生日に死んでしまう呪いをかけられたのです。

 けれど、その呪いの前から眠りっぱなしだったので、死ぬこともなく、ずっと眠りつづけているのでした。

 ただカカシは大変美しい若者で、もちろん財産もたっぷりありました。

 そういったワケで、近隣の国の貴族たちは、このカカシを王位につけるなり娘婿にするなりしようと考えて、起こしに来るのです。

 けれどカカシは寝ぼけたまま、自分を起こしに来る人々を追い払ってしまうのでした。

 そしてカカシが眠って100年ほど経ったある日のことです。

 いばらの城の近くをイルカという若者が通りかかりました。

 途端にカカシは目を覚まし、城を飛び出すとイルカをさらって取って返します。
 
 すると、あなたに会うために100年の時を越えてきましたという、頭の痛いコトをほざきながら、見事にイルカをモノにしてしまったのでした。

 困ったのはイルカです。

 実はイルカは病の父に会うために道を急いでいたのです。
 早く戻らねば死に目にも間に合わないかもしれません。

 イルカは必死でカカシを説得しましたが、一時とイルカから離れてくれず、一歩も城の外へ出してはくれませんでした。

 何度かイルカの里からイルカ救出隊がやって来ましたが、どうしてもいばら城に入ることができなかったのです。

 そうして数年が経ち、何故かカカシとイルカの間にはサスケとナルトという子供までできていました。

 いばら城の外では今日もイルカ救出隊が声を張り上げています。

「イルカ様ーっ! お父上がお亡くなりになられましたーっ!」

「どうか里へ戻って跡をお継ぎくださーいっ!」

 なんということでしょう。
 カカシに色々といたされている間に、とうとうイルカの父は亡くなっていたのです。

 救出隊の言葉を聞いたイルカはカカシに泣いて頼みました。
 
「せめてお葬式の為に、里へ帰してください。里は誰かに任せて、必ず戻ってきます。いえ、心配ならアナタが一緒にきてください」

 イルカはカカシが聞き入れてくれるまで、いっさいのイチャイチャを禁じました。

 それがよっぽど堪えたのでしょう。
 ようやくカカシは4人でイルカの里へ戻ることを許したのです。

 さて、里へ戻ったイルカを出迎えたのは母親の大蛇丸でした。

 大蛇丸はイルカがなかなか里へ戻れず、父親を悲しませたことを許し、カカシもサスケもナルトも暖かく迎え入れてくれました。


 



 こうして一家5人、幸せに暮らしていけるかと思った頃、戦争がはじまりました。

 父の跡を継いだイルカは里の代表として戦いに行かねばなりません。

 泣いて駄々をこねるカカシをなんとかなだめすかし、家族を残してイルカは戦争へ行ってしまいました。

 しばらくして、大蛇丸は料理長のカブトへこっそりと言います。

「ねえ、カブト。わたし、ナルトくんを食べてしまいたいのよ」

 なんということでしょう。
 大蛇丸は人食い鬼だったのです。
 
 
write by kaeruco。
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