Metamorphosis Game
□1 Private Leson
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Metamorphosis Game
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Private Leson その日、はたけカカシは最近とても気になっていた瑣末事を、己の部下である1人の下忍に問うていた。
「なーぁナルトーォ」
「なんだってばよカカシ先生」
「《おいろけの術》って、ナニ?」
中忍試験の最中に特別上忍のエビスに、そして伝説の三忍自来也にナルトを任せた際、耳にしたこれまで聞いた覚えの無い《ハーレムの術》アンド《おいろけの術》。
堅物のエビスが慌ててナルトに口止めし、色事好きな自来也が顔面どころか全身を笑み崩して褒め称えるあたり、ろくでもない術なのは分かっている。
それでも気になるのは、カカシの千の術をコピーした男としての矜持──というよりも、ただのコレクション癖──かもしれない。
「……なんでカカシ先生が知ってんだってばよ」
「自来也様に聞ーた」
肝心なコトもすぐ抜けていく忘れっぽいナルトだが、変なところで義理堅い。
きっと、何でも好きなものを買ってやるから黙っていろというエビスとの約束がある以上、カカシにハーレムの術について話すことを多少はためらうだろう。
だからカカシはそちらには敢えて触れず、自来也を引き合いに出してみた。
──まあ聞いた話じゃあ、エビスは約束果たしてないみたいだしー。言いくるめるのは簡単だーけどネェ
「カカシ先生、エロ仙人のこと知ってんのか?」
「ちょーっとね。で? お前、自来也様に《おいろけの術》見せて気に入られたんだって?」
実際のところ、カカシと自来也の関わりはちょっとどころのモノではないのだが、今は説明している暇が惜しい。
なので、はぐらかすことにする。
幸か不幸か、ナルトは忍者としては不適格な程、会話する相手の真意を読み取るのが苦手だ。
素直というか、単純に会話の経験が足りていない。
正直カカシも指導者として憂慮しているが、すぐにはどうにもしてやれないのが現状だ。
「ああー。エロ仙人ってば、ずっとそのカッコでいろとか言いやがったんだってばよっ」
その一言で、カカシには大体の予想がついた。
──どーせ、女体変化デショ? ……ってことは、ハーレムの術は分身との併用かねぇ?
流石、上忍。
ダブルでビンゴだ。
術の正体が分かっただけで、カカシとしてはもう充分。
既にある術の応用なら見なくてもできる。
しかし、今度は教え子がどんなモノをお色気と認識しているのかが気になった。
何故ならナルトの基礎知識や一般常識の殆どは──他の大人が何も教えなかっただけに──元担任の中忍、うみのイルカがベース。
言い換えれば、ナルトの性的知識≦イルカの教育方針+性的傾向である。
当然、完全にイコールではない。
これはナルトがイルカから得られる範疇の知識しかないだろう、という憶測だ。
だが何故かカカシの頭の中では、ほぼ等式が成立している。
いくらなんでもそれはイルカを見くびりすぎだ。
仮にも中忍で、一応22歳の健康優良な青年なのだし……。
「オレにも見してよ
」
「別にいいけどよー」
「あんがと
」
にへらーっと笑うカカシに、どーして大人ってばこの術に弱いんかなー、とぼやくナルトの声は届いていない。
write by kaeruco。
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