Nessuno Vive Per Sempre
□小さな贈り物
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小さな贈り物
〜 オマケ 〜 副委員長の草壁が用意していたケーキを冷蔵庫から出し、綱吉が紅茶を煎れるお湯を沸かしている間に雲雀は手持ち無沙汰に受け取ったプレゼントを眺めつつ問う。
「で、君は何を持ってきたの?」
「え? えっと、それは…雲雀さん、開けてみてくださいよ」
それもそうだ、と雲雀はあっさり納得し、袋の口を閉じたシールを剥がして中身を取り出す。
「……キーホルダー?」
出てきたのは、黄色い小鳥の形をした鈴。
留め具の形状から、キーホルダーのようだった。
「雲雀さんにプレゼントなんて何贈ったら喜んで貰えるか全然分からなくて…なんかヒバードみたいだったから…それで」
「ああ」
丸っこい鈴と小鳥は色も同じだった。
テーブルを歩き回り、オヤツオヤツと繰り返しさえずる小鳥の前に鈴をぶら下げて雲雀は笑う。
「確かに、似ているね」
「皆は何をプレゼントしたんですか?」
単純に興味が湧いて綱吉は聞いた。
特に、雲雀とは犬猿の仲である骸のプレゼントは知りたい。
「さあ…でも、多分」
そう言って雲雀が手にしたのは、綱吉が贈った物と変わりないサイズの紙袋。
一番最初に白い梟が投下していった物だ。
包装を破くように開けば、出てきたのは予想通りストラップ。
しかも、黄色い小鳥のモチーフがついたものが2種類。
「あの六道骸と君のセンスは同レベルみたいだね」
「ええっ! そっ、それ、どーゆー意味ですかっ!?」
「だって、同じ物だろ?」
確かに、雲雀の手には同じモチーフのキーホルダーとストラップが並んでいる。
物まで被らなかったのは良いが、同じセンスと言われるのは正直、御免だ。
だって、クフフ笑いにパイナップルヘアーという珍妙なセンスをしている六道骸と同じセンスだなんて。
「…お、オレ…しばらく立ち直れそうにありません」
涙目で訴える綱吉に構わず、雲雀は同じ柄で大きめの紙袋を取り上げる。
これは少し重みもあって、よくあの猫はここまで咥えて上がってこれた物だと少し感心していた。
「これ、なにかな?」
袋の中身は手のひらサイズの白いハリネズミだった。
雲雀が持っていると、匣兵器である雲ハリネズミのロールが白くなってしまったのかと見間違えるかもしれない。
「ああ、ここが開くんだ。へえ、名刺受け…かな?」
白いハリネズミは胴の上下が外れ、カードサイズの空洞がある。
デスク周りの小物を収納する為の物のようだ。
「それって?」
「猫が咥えてきたんだ」
「猫って、瓜が? じゃあ獄寺くんだ。なんかオシャレですね。センスいいなぁ」
「うん」
どうやら雲雀もお気に召した様子で執務机の端に居場所を与えている。
そして次に手にしたのは、また同じ包装紙の小箱。
「これは笹川了平」
綱吉にも披露するように包装紙を開き、紙箱を開ければ漆黒のボールペンが出てきた。
極限を口癖にする割にきちんとした贈り物とセンスを持っていた了平に綱吉は言葉を失う。
「彼は妹の買い物に付き合ったりもするから、結構物を見る目は確かなんだよ」
「へ、へえ…そう、なんですか…」
ついでに、了平の人となりを把握し、認めるような事を言う雲雀にも驚いた。
write by kaeruco。
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