Nessuno Vive Per Sempre

□小夜鳴き鳥は死の運命、
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小夜鳴き鳥は死の運命、
雲雀は夜明けを告げる歌。




〜 閑話1 〜
決め科白会議


「恭弥さん、小夜さん、なにしてるんですか?」

「やあ、綱吉。ちょうどいいところに来たね」

「座りな、綱吉。いまお茶を…いや、君はココアの方が良かったね」

「ありがとう、小夜さん。恭弥さん、隣失礼します」

「うん」

「それで、ちょうどいいところってなんですか? もしかして、なんか会議中でしたか?」

「そんなところだよ。でも僕らだけだと偏るからね。君なら客観的な意見も聞けるかと思って」

「はあ…(偏ってるって自覚があったんだ…)」

「ふぅん…(今、失礼な事考えたね)」

「はい、綱吉。熱いから気をつけるんだよ」

「あ、はい。ありがとう、小夜さん」

「…まあ、いいよ。早速だけど、綱吉」

「はい」

「どれがいいと思う?」

「…なんですか、このメチャクチャ脅し入ってるコワい台詞が沢山並んだ紙は?」
 
「なにって、小夜の決め科白だよ」

「小夜、さん…の?」

「うん。僕といえば、咬み殺す。君なら、死ぬ気だろ? 小夜にもあったほうがいいと思って」

「まず、そんな科白を使う場面を回避することを考えましょうよっ」

「なぜだい?」

「この人に聞いた俺がバカだった! というか、小夜さんに必要ないでしょ?」

「それがそうでもないんだよ」

「私が恭弥の妹だと知って、兄への逆恨みで襲撃してくる群れが結構いるんだ」

「え!? それ、大丈夫なんですか?」

「もちろん、完膚無きまでに蹴散らして応急処置をした後、風紀委員に突き出しているよ」

「風紀を乱したそいつらは僕が咬み殺して(草壁が)保健室に運んでるよ」

「そして、私が応急処置をしているね」

「それでも懲りない奴らが何度となく保健委員と風紀委員の間でやり取りされてるんだっけ?」

「なにその無限ループっ!?」

「惨劇から抜け出すには自分で気づかないとね…」

「自分のした事を惨劇とか言ってるしっ!!」

「とにかく、小夜は僕の妹で、その辺の草食動物とは違うって事を知らしめるにも、似たような科白が必要だと思うんだけど?」
 
「…一見、妹さんを気遣う良いお兄さんな言葉ですけど、方向性が激しく間違ってる気がするのは俺だけなんだろうか…」

「僕らが普通の兄妹らしくても、君は違和感しか覚えないと思うけど?」

「…うっかり納得してしまった自分が憎い…」

「それで、綱吉はどれが1番小夜に相応しいと思う?」

「…(なんだか嬉しそうなのは、気のせいじゃないよな…)…えーと、あの?」

「なに? 読めない漢字でもあるのかい?」

「…いえ、そうじゃなくて。『死』とか『殺』とか含んだ言葉がよくこんなに思いついたなぁって…」

「僕の『咬み殺す』と合わせて語呂がいい言葉がいいかと思って」

「…(意外とお揃いとか好きだよな、恭弥さん)でも、保健委員長の小夜さんには合わないと思うんですけど…」

「僕だって風紀委員長だけど?」

「…(無意識に受け入れてた!?)と、とりあえず『いっぺん、死んでみる?』とかはシャレにならないし違う展開に突入しそうなので却下でお願いします!」

「そう? 結構、合うと思うんだけど?」
 
 
write by kaeruco。 
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