Nessuno Vive Per Sempre
□小夜鳴き鳥は死の運命、
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小夜鳴き鳥は死の運命、
雲雀は夜明けを告げる歌。
〜 閑話2 〜
幼馴染みの始まり 「綱吉。珍しく考え込んでいるようだけど、どうかしたのかい?」
「…あの。恭弥さんと小夜さんはオレと出逢ったきっかけとか、覚えてますか?」
「もちろん」
「それがなに?」
「えっと、オレ、よく覚えてないっていうか、いつの間にか一緒にいるようになってたなーとか…」
「今更だね」
「うん。急にどうしたの?」
「…え? あの、ちょっと気になっただけで…」
「その辺の草食動物に何か言われて、気になったとかじゃないの?」
「ああ、そうみたいだね」
「え? そんなんじゃないですよっ!(なんでバレたのっ!?)」
「そうなんだね…(後で咬み殺す)」
「ああ(保健委員に搬入準備させよう…)」
「(…なんか空気重い?)あ、あの、それで…」
「ああ、君との出会い、だっけ?」
「綱吉が4才で、恭弥と私が5才の頃だよ」
「へぇー。あ、ちょうど10年になるんですねぇ!」
「うん。そうなるね」
「3月2日、午後2時18分。並盛公園の砂場で近所の草食動物3匹が小動物を小突き回していたのを見つけてね、恭弥が獲物を咬み殺している間に怪我をしていた小動物を応急処置してやったら殊の外懐いたんだよ。それ以後、君は私たちの幼馴染みだ」
「へえー…え? ちょっ、な…なんでそんな細かく覚えてるんですかーっ!?」
「僕たちの記憶力が君と同じ性能なわけないだろう?」
「第一、聞いたの君でしょ?」
「うぅ…そーですけど…」
「それで? なにか疑問でもあったわけ?」
「もしくは、不満かな? 私たちと幼馴染みでいることに」
「ちっ、違いますよ! 不満だなんてそんな! た、ただ、なんでオレなんかと恭弥さんたちが幼馴染みなんだろうって、思って…」
「確かにね。君は一見、小動物だ」
「よく遅刻するし、忘れ物も多いし、何かというと転んで怪我もするね」
「…うぅ。そうですけどー」
「でも君、その気になれば僕とやりあえるでしょ?」
「ドジなだけで、勉強も運動もそれなりにできてるし」
「それは、恭弥さんと小夜さんが鍛えてくれたり、教えてくれたから…」
「君ねえ…いくら鍛えたって、その辺の草食動物が僕たちとまともにやり合えるとでも思ってるの?」
「それに、私たちがただの草食動物を酔狂で鍛えたりするなんて考えられるかい?」
「…えーと(無理っぽいし、しないよなぁ…)」
「そういうことだよ」
「うん。第一、君は私たちよりずっと勘が働くじゃないか」
「そう…なん、ですか?」
「うん。…そう言えば、最近はご無沙汰しているね。君との手合わせ」
「ここ3ヶ月程していないね」
「…(あれ? なんか、嫌な予感…)」
「よし。久々につき合ってよ、綱吉。手応えのない獲物ばかりで腕が鈍りそうなんだ」
「うん。遠慮なくやり合っても私が応急処置してあげるから心配いらないよ」
「わーっ! 恭弥さん、襟引っ張らないでーっ! 首、首が締まるーっ! 小夜さんも、怪我する前に助けてくださいーっ」
write by kaeruco。@iscreamman
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※そんな訳で、10年前から雲雀兄妹に鍛えられてる綱吉くんはダメツナではなくドジツナです。死ぬ気の炎を額に灯したり、両手から噴射して飛んだりはできませんが、本気で怒ると「死ぬ気でぶっ飛ばす」と宣言して恭弥さん相手でも殴ります。
(初出:2014/03/22
最終更新:2014/03/22)