Nessuno Vive Per Sempre

□小夜鳴き鳥は死の運命、
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小夜鳴き鳥は死の運命、
雲雀は夜明けを告げる歌。




〜 閑話4 〜
既知との遭遇


「小夜さんの体操着買えて良かったですね」

「うん。小夜、約束したからね」

「分かったよ、恭弥。じゃあ、そこの女子トイレで着替えてくるから。待ってて」

「おや? これはこれは、誰かと思えば雲雀恭弥ですか」

「君、誰? なんで女子トイレの前に立ち塞がってるの? 覗き見なら容赦しないよ」

「誰が覗き見なんかしますかっ!? 僕は妹を待っているのですよ! …しかし、どうやら君も記憶がないようですね。けれど、いやはや、まさか、あの雲雀恭弥が女装趣味とは。クフフ」

「その制服は、隣町の黒曜中の生徒か…。恭弥の知り合いかい?」

「は? なにを恍けたことを。君が雲雀恭弥なのでは?」

「小夜。ずいぶん手間取ってるみたいだけど、なにしてるんだい?」
 
「恭弥。どうやら私を君と間違えているみたいなんだが、彼は知り合いかい?」

「クハッ! なんという悪夢でしょうか! まさか、雲雀恭弥が2人も存在するとはっ」

「…ワオ」

「ちょ、ちょっと待って、恭弥さんっ! いきなりトンファー出さないでーっ??」

「離れてな、綱吉。どうやら顔見知りらしい」

「え? そ、そうなんですか? で、でもっ(なんだか、イッショクソクハツな…)」

「ちょっと、小夜。こんなのと僕を知り合いにしないでくれる?」

「クフフ。君と同意見なのは癪ですが、知り合いなどではありませんし、そう思われることも不愉快です」

「ほら、ラクロスのスティック構えたろ。止める必要はなさそうだ」

「あ、本当だ。すげー、恭弥さんと互角に渡り合ってるー」

「どうやら『強敵』と書いて『友』と呼ぶ類いのようだね…」

「へー(小夜さん、変な知識どこで仕入れてくるんだろう…)」

「ちょっと、小夜! 綱吉に変なこと吹き込まないでよ! こんな南国果実と僕を一緒にするなっ」
 
「なんてことを言うんですかっ、そっちの女装アヒルッ!? ボンゴレも誤解するんじゃありませんっ!」

「…女装アヒルってなんのことだい?」

「…ボンゴレってなに?」

「小夜は正真正銘、女子だし、僕の妹だ。綱吉も浅蜊貝なんかじゃない。訂正しな、腐れ果実」

「君こそ、相変わらず不愉快な物言いを…」

「咬み殺す!」

「堕ちろ! そして、廻れ!」

「…ふむ。綱吉、私は着替えてくる。もし、他人を巻き込んだら頼む」

「あ、はい…って!? オレが、あれ、止めるんですかーっ!」

「怪我人がでたらね。じゃあ、任せたよ」

「任せないでくださーいっ! 小夜さーん!」

「…? 沢田、さん?」

「へ? あ、凪ちゃん! 今、近づいたら危ないよっ」

「大丈夫。兄様がいるから」

「ええっ!? も、もしかして、あの、人?」

「うん」

「…よし。ちょっと待ってて。死ぬ気で止めてくる」

「いい。兄様、楽しそう」

「なっ、凪! 楽しそうとはなんですかっ?? ボンゴレも、気安く凪に近付くんじゃありませんっ」

「ふぅん。僕を相手によそ見かい? 幻術も使えない癖に、随分余裕だね。六道骸」
 
 
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