Nessuno Vive Per Sempre
□小夜鳴き鳥は死の運命、
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ナイチンゲール
と
赤い薔薇 write by kaeruco。
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副委員長から提出された報告書に目を通すうち、並盛の支配者たる風紀委員長の眉間に深くシワが寄っていく。
そこへ無遠慮に応接室の扉を3回叩く音が割り込み、雲雀恭弥の機嫌はさらに降下した。
しかし訪問者は近々呼び寄せるつもりでいた人物でもあり、傍らに控える草壁へ視線で扉を開くよう指示を与え、入室を促す。
「入りなよ、赤ん坊」
「邪魔するゾ、雲雀」
そう言って姿を表したのは仕立ての良いブラックスーツにボルサリーノを小粋に被った赤ん坊───リボーン。
頭でっかちで幼気な2頭身ながら危なげなく2足歩行をし、横柄とも言える態度で雲雀の執務机に飛び乗って来た。
土足で机の上に立たれた事に眉をしかめたものの、彼のこういった行動は常の事であるのでこの場は流し、来意を問う。
「何か用?」
「ああ、お前の力を借りたい……というか、調査の許可をくれねえか?」
「許可? 調査って何のだい?」
「ダメツナが行方知れずなのは、お前も知ってんだろうが。アイツの足取りは並中で途絶えてる」
見た目だけは愛らしい赤ん坊が苦々しく、ダメツナ───と呆れと焦燥感、それとわずかな愛情をない交ぜにした声音で呼ぶのは彼が家庭教師を請け負った少年だ。
名は、沢田綱吉。
雲雀が風紀委員長として支配する並盛中学に通う、勉強も運動も不得手なことで、ダメツナとあだ名されている。
入学当初からしばらくは友人の1人も居なかった沢田綱吉だったが、ある時期を境に個性的───では済まない多種多様な友人が行動を共にするようになっていた。
そしてこれはクラスメートの預かり知らぬ事ではあったが、お家事情に纏わる騒動に否応無しに友人諸共巻き込まれてしまったことで、生来の優しさはそのままに逞しく鍛え上げられてつつある。
まるで見栄えのしない鉱石が研磨されて貴石としての輝きを放つように、最近の彼はダメツナらしからぬ言動を見せ始めていた。
それなのに、数日前、なんの前触れもなく、沢田綱吉は姿を消し、以来なんの音沙汰もない。
「並中にボンゴレの調査員を立ち入らせる許可をくれねえか?」
リボーンからの要求に、それは構わないけど、と前置いた雲雀は、彼が訪れた時に目を通していた書類を渡してやる。
「小動物の件は風紀委員会でも調べている最中でね」
なにしろ雲雀が愛する学校で生徒が1人行方不明になった。
しかもそれが興味を持っていた───というより、お気に入りの小動物。
なんらかの事故か、何者かが企てた事件か、はたまた本人が意図しての失踪か。
理由がなんであれ、雲雀としては気に食わない出来事に違いない。
故に、風紀委員を総動員してここ最近の並中における沢田綱吉の動向を調べさせた。
「これはその中間報告書だよ」
UP DATE:2013/10/14
write by kaeruco。
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