カカイル

□せんせいのお時間
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せんせいのお時間

ぶらっでぃ



「イルカ先生。アナタ、また鼻血噴いたんですって?」

 心底呆れたような声をだし、高ランク任務から帰ったばかりのカカシは目の前に座る人を見下ろした。

「大体ねえ、20歳を過ぎた男が、女の裸ごときで一々鼻血なんか出してないでヨ」

「は、裸じゃありませんでしたよっ」

 言い返すが、自分でも恥じていたことだから、イルカもいつもの勢いがない。

「あ、でも、ナルトはいつも通りっぽかったんで、見る前に殴りました」

 そう付け足した途端に、2人の間に気まずい沈黙が落ちてくる。

 つまりそれは、見ていたら、ナルトの術でも鼻血を吹いていた、ということだ。

 居心地悪そうに、イルカは木ノ葉丸たち3人の《プリンプリンの術》はちゃんと服を着ていたと、しどろもどろに説明した。
 
「へえ。何だったんですか?」

「……ボ、ボディコンと、水着(長パレオビキニ)と、眼鏡ナースでした……」
 
 興味も無さそうに冷たい声で返したはずのカカシが、その答えを聞いて悩むように呟く。

「ちぃっと、そそられますね」

 恐るべし、制服の魔力。

 上忍とはいえしょせんは男。

 最後の言葉にはうっかり想像を逞しくしてしまう。

 何しろ『眼鏡』で『ナース』で『プリンプリン』。

 この語句のどれにも反応しない人間は相当のお子様か、無我の境地に到達できた者だけだろう。

 しかし、一般とはレベルの違う頭の中でそれを纏っているのは、見目麗しい女性とは限らない。

 漂いだした妖気──もしくはエロチャクラ──に、不穏な空気を察したイルカの目は急速に温度を下げていく。

「……カカシさん、アンタ、今、何、想像してんですか?」

「それはもちろんイ……。ま、まあそれはともかく……、ガキレベルのお色気で鼻血なんか出してないでよ。中忍なんだから」

「だ、出すなって言われたって、止められるもんでもないでしょうっ」

 アンタだって今、怪しかったじゃないですか。
 そうツッコまれては、一瞬カカシも黙るしかない。

 実際、本当にヤバかったのだ。
 
「お、女ってだけでのぼせ上がるなって言ってんです。感情のコントロールくらいしなさいっ」

「う……。で、でも3代目や、自来也様だって惑わされるような術なんですよっ」

「あーの女好きどもと、アンタは違うデショ? そーれーに、シカマルは平気だったって聞きましたケド?」

「う………」

 そうとどめを指されてイルカはついに押し黙る。

 木ノ葉丸軍団3人組の《プリンプリンの術》で仮想敵忍者として彼らを襲撃した中忍の教官陣は全滅。

 唯一、冷静に対処できたのは補佐でついてきていた新人中忍のシカマルだけだった。

 ちなみに、お仕置き覚悟でこの情けない顛末を正直に報告したところ、5代目には怒る気もしないと流されてしまっている。

 逆に、言い合っているうちにいつもの飄々としたペースを取り戻したカカシは嫌味のように付け足した。

「それに、アンタ最近、綱手様の側にいること多いじゃない? アレに比べりゃ、そこいらのなんか、まな板か洗濯板に見えんじゃないの?」

「……それは色々と、失礼じゃないですか?」
 
 
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