カカイル

□1周年お題
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nartic boy
1周年お題SS
 
生涯



「オレはお買い得ですよ」

 胸を張り、恋人としてのお付き合いを迫る上忍は、そう言った。

 うみのイルカはどう答えたものかと頭を巡らせている間に、次々とセールスポイントが並べ立てられる。

「背は高いし、収入はあるし、社会的地位もあるでしょ。それから家持ちで、犬付きだけど、舅姑はなし。1人長いから家事は一通りできるので、お任せにするつもりもないです」

「はあ」

「ま、ちょーっと、仕事の危険度は高いですけどね、それはまあ、なんとかなるでしょ」

 どうです。

 と、小首を傾げる仕草はもしかしたらカワイ子ぶっているのかもしれない。

 だが、イルカは真っ当な嗜好の健全な男子だ。
 同性で、自分より稼ぎも身長も階級も高い人物を恋人にする趣味はない。

 並べ立てられた数々のポイントは、欠点でしかないのである。

 そう言ってお断りをしようとした。
 
「あ、もちろん、生涯あなた1人を愛するコトを誓います」

 途端にそんなコトを言われて黙る。

 なんとかこれを覆せる言葉を捜していると、畳み掛けるようにカカシは言う。

「当然、夜の営みも。ね?」

 イルカは無言で拳を振り下ろした。

 最初からこうすればよかったんだな、と思いながら。

 
【了】

WRITE:2005/10/06
UP DATE:2005/10/10(PC)
   2009/11/15(mobile)
 
 『生涯』ではなく、『障害』になってしまいました。
‡蛙娘。@iscreamman‡

 
 
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