風と歩む未来(あした)

□5・5蹴〜ある晴れた日の出会い〜
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抽選会から帰り、皆に初戦の相手が武蔵森だと告げると驚かれた。

着替えると早速練習が始まる。


「試合まであと二週間、今日からポジションを固定して練習する。花沢、古賀、野呂、田中、神流はディフェンスラインの練習。俺と森長、五味、外山は中盤の守りと攻撃の練習。そしてFWは高井と…風祭の2トップ」


水野にFWだと言われた瞬間、将は驚き佐藤は抗議した。

結果として、佐藤が水野に丸め込まれたフリをして決着がついた。

「あぁ、俺の事はそれでええとして、神流は何でDFなん?」

「?以前希望ポジションを聞いた時にそう言ってたからだが?身長もあるし…」

「あー、ちゃうちゃう。そうやなくて神流も試合出るんか?」

「そうだが…、何が言いたんだシゲ?」

佐藤の言わんとしている事を将と水野、一年以外は何となく理解した。
佐藤が言いたいそれは、誰が水野に真実を伝えるか悩んでいた事だから。

「神流はやで?まぁルール上出ても問題はない…んやろうけどな?」

「…えっ?神流…、お前女だったのか?」

「…生まれてこの方、男になった覚えはないな」

「えっ、でも、一人称は“俺”だったよな?制服も学ランだし…」

水野と周りの一年はかなり動揺していた。

「…別に一人称が俺と言う女もいるだろ。それと制服はスカートを履きたくないから、学校に掛け合った結果学ランになっただけだ」

(…だいたい、今の俺にスカートなんてモノは似合わないだろ…)

「なんやタツボン、マジで知らんかったんかいな?神流の話しは有名やないか。2・3年なら皆知っとるはずやで?」

「うっ…じゃ、じゃあ神流にはDFの練習を見てもらっても良いか?」

「ああ、解った」

こうして対武蔵森戦への練習が始まった。

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