パロ小説

□逆埒
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とある家の中庭で、リュウタが寝ていた。
傍には、赤い服を着て眼鏡を掛けた「不思議の国のアリス」に出てくるような、白いがお腹は専ら黒いと噂のうさぎが居た。
ペ「ほらほらぁ若い内から、そんなに無気力じゃあ将来暗いですよ?何をボケーっとしているんです?ほらっ、僕を追いかけないとっ!」

そう言われ、目を擦りながら声のする方を見た。

ウサギがいる・・・しかも二本足で立っている。

リュウ「お前だれ」

ガチャリ

どうやら寝ぼけているらしくリュウボルバーの銃口を額にあてる。
そのうさぎは、銃口も恐れずに自分の事を話し出した。

ペ「僕は、貴方をハートの国へと導く案内人、ペーター=ホワイトって言います。さぁ、寝ぼけてないでさっさと僕を追いかけて下さい」
と踵を返して穴に向かうペーター=ホワイトと名乗った、服を着て眼鏡を掛けた白い兎。

穴に飛び込む寸前の所で、いきなりペーターの体が地面から浮き上がった。
両脇の下から腕をまわされている。
ジタバタ暴れるペーターを押さえ付ける。

「何なんです貴方!?無礼ですよ。離してさい!」

「お前フワフワだね〜。スッゴク可愛い。このまま連れて帰ろっと」

狽ヲっ!と虚を突かれたようになり

「離して下さい!僕は貴方を連れていかなければならないんですっ!!」

なおジタバタと抵抗を試みるうさぎのペーター。

「あと、耳を掴んで運ぼうとするのもやめて下さい!うさぎはお尻の方を持ってあげると安心するんですから…」

ペーターのそんな抵抗など綺麗サッパリ無視して近くにある扉の前に立ってボソリと

「後、10秒9、8、7、6、5、4、3、2、1、0」
ゼロの掛け声とともにリュウタは扉をいきよいよく開けた。
扉を開け一面に広がる砂漠の世界。

そのなかに止まっている不釣り合いな電車。

ペーターは逃げようとするもリュウタが耳を掴掴んだまま離してくれない。

リュウ「コイツ、皆に見せたらビックリするだろうな〜」
等と言いながら電車に乗り込むリュウタ。

ペーターはもう戻れない。

ペーターはというと捕まったまま何かを反論するのだが、その声も空しく電車にリュウタが乗ってしまう。

ペ「ちょっとあなた、聞いているんですか!?僕はあなたを迎えに来ただけですよ!」

全く聞いていない様子に唸るペーター。

「う゛ぅ〜…しょうがないですね。強引にでもハートの国へ連れていきましょうか」
と呟いたとき、電車はどこかについたらしく、動きを止めた。
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