不動峰

□覚えてる
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今日って…

アイツの誕生日、だったよーな…

よーし!

一丁、からかってやりますか!








『ねーアキラぁ』

「ん?何?何?」


振り向いた彼の顔が、今までに無い位に輝いている


『えーと…今日、さ』

「今日、何?(キラキラ」


うっ………

眩しい………!

悪戯してるってわかっててもこの罪悪感…辛い!


『誕生日…って』

「うんうん!(キラキラ」

『………誰かいたっけ?』

「…………!!!!!!!」


うわ、アキラの顔ムンクみたい…


『…えーと…』

「…だよなぁ」

『え?』

「俺の誕生日…なんか…」

『ちょ、冗だ…』

「覚えてる訳……無いよなぁ(ΩωΩ)」


ヤバイ!
本気で目、潤んでる!


「深司だってまだ…ぅう…」
『わ…忘れる訳無いじゃんか!』


ピタリと止まる、アキラ


『皆が忘れても…私だけは絶対忘れないから!』


ポケットの中から小さな包みを出す


『…クッキー』

「…ぇ?」

『クッキーあげるって言ってるの』

「……俺に?」

『諦めたん以外誰が居るの?…ポケットに入れたから、
ちょっと形は崩れちゃったけど…』


私は手元を見る

若干崩れたクッキーの先には

飛び付いてくるアキラがスローモーションに…




『うわぁあああ!!!』

「ぁあっありがとなっ!!!」


あらまー…

泣いちゃってますよこの子…





(お誕生日おめでとう!!)
(おぅ!ありがとな!!!)



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