洋平連載

□桜木くんとお兄ちゃん
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「おはよう、水戸くん。」



廊下の窓にもたれて教室の中を苦笑いで見ている水戸くんを見つけて挨拶をする。


すると水戸くんは一瞬だけ驚いて柔らかい笑顔を向けてくれた。



「おはようごんべさん。」

「桜木くん大丈夫?」



恐らく彼が見ていたであろう人物の名を出し同じように教室の中を覗きこむ。

その存在をアピールする赤とは裏腹に当の本人からは生気が全く感じられない。


そのことに苦笑し、やっぱり晴子を無理にでも連れてくるべきだったかなどと考えていると後ろから小さな笑い声が聞こえた。



「え?何?」



振り返ると水戸くんが明らかに私を見て笑っていた。



「いや、やっぱりおもしれーなと思って。」



そんなこと言うのは水戸くんだけですが。





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