song-cm

□アゲハ蝶
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ヒラリヒラリと舞い遊ぶように

ヒラリヒラリと舞い遊ぶ


姿見せたアゲハ蝶

アゲハ蝶みたいなお前に
俺は出逢った


夏の夜の真ん中 月の下

昔、俺がサテライトで騒いでた

あの頃に


喜びとしてのイエロー 憂いを帯びたブルーに


喜びを映した俺の黄色の瞳

そんなあの頃の俺をかき消すように青色に輝いた
憂いを帯びた 腕の痣


世の果てに似ている漆黒の羽

全てを隠してしまいそうな 真っ黒な闇色のマント



旅人に尋ねてみた

目の前に立っていた、顔の見えない男に尋ねた


どこまで行くのかと いつになれば終えるのかと

「誰なんだ?」

「何がしたいんだ?」


「いつになればそれは終わるんだ?」


旅人は答えた

目の前のそいつは答えた


終わりなどはないさ 終わらせることはできるけど

「終わり?


・・さあな
これを始めたのは俺じゃねぇし、

まぁ、俺の戦いを終わらせることは出来るけど・・な」

目の前のそいつは悲しげに微笑んだ気がした


そう・・・ じゃあ お気をつけてと

「・・そうか、じゃぁな」


見送ったのはずっと前で

別れを告げたのは俺が狂うほんの前で


ここに未だ還らない

あれ以降姿を見せなくなった


彼が僕自身だと気づいたのは

あいつが今の俺だって気付いたのは


今更になってだった

道を踏み外しちまった、後だった


あなたに逢えた それだけでよかった

お前にもう一度逢えた

それだけでよかったんだ


世界に光が満ちた

俺の心の中に光が生まれたみたいだった


夢で逢えるだけでよかったのに

ただお前を見ていられるだけでよかったのに


愛されたいと願ってしまった

 もう一度、お前と生きたいって

            願っちまった


世界が表情を変えた

腕の痣がうずいた気がした


世の果てでは空と海が交じる

ただ世界はどうなるわけでもなく、
俺の視線の先では空と海が重なり合っていた


詩人がたったひとひらの 言の葉に込めた

俺が一度死ぬ前に地縛神に託した 願い


意味をついに知ることはない

それを全て知る奴は、たぶんいないだろう


そう それは友に できるならあなたに

最後に残った叶うことない願い


そう、それは仲間に
出来るなら お前に


届けばいいと思う

届いて、知ってもらえたら
なんて 思ったんだ


もしこれが戯曲なら

もしこれが誰かの見てる戯曲なら


なんてひどいストーリーだろう

なんて最悪なシナリオなんだろうな


進むことも戻ることもできずに

これ以上お前のほうに歩み寄ることも、

あの頃に戻ることも出来なくて


ただひとり舞台に立っているだけなのだから

ただ一人、俺は立ち尽くしたまま・・・・・


あなたが望むのなら この身など

お前が望んでくれるなら 俺のこの身体だって


いつでも差し出していい

いつでも差し出すぜ?


降り注ぐ火の粉の 盾になろう

もしも炎が降り注いだら、その盾にだってなってやる


ただそこに一握り残った僕の想いを

ただ、そこに残った
消えることない俺の 小さな想いを


すくい上げて心の隅において

すくい上げて

お前の心の隅においといてくれないか?



あなたに逢えた それだけでよかった

お前にもう一度逢えた
それだけでよかったんだ


世界に光が満ちた

俺の心の中に光が生まれたみたいだった


夢で逢えるだけでよかったのに

ただお前を見ていられるだけでよかったのに


愛されたいと願ってしまった

 もう一度、お前と生きたいって

            願っちまった


世界が表情を変えた

腕の痣がうずいた気がした


世の果てでは空と海が交じる

ただ世界はどうなるわけでもなく、

俺の視線の先では空と海が重なり合っていた


荒野に咲いたアゲハ蝶

荒れた俺の中に咲いたアゲハ蝶みたいなお前


揺らぐその景色の向こう

だけど、幻みたいに揺らいでる お前


近づくことはできないオアシス

手を伸ばしても触れることはできないお前


冷たい水をください

お前の声を聴かせてくれ


できたら愛してください

出来ればもう一度、その瞳に俺を映してくれ



僕の肩で羽を休めておくれ


俺の横で、生きていてくれ…








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